Windows Server 2012では、Windows Server 2008 R2からActive Directory (AD)やフェールオーバー クラスタリング (WSFC) といったサーバー管理におけるPowerShellコマンドレットが強化、および追加されました。
各役割および機能に関するPowerShellコマンドレットのヘルプについて、オンライン上で公開されていますが、現時点では主に英語のみで日本語の情報はあまり公開されていないようです。
ここでは、Windows Server 2012のWindowsデータ アクセス コンポーネント (WDAC)に関するPowerShellコマンドレットの情報について、日本語としてオンライン上で備忘録として確認したいと思い、本ブログ上で纏めてみました (内容については「Get-Help」コマンドレットの-Fullオプションを用いて実行した結果を編集、補足したものとなります)。
この記事では、「Get-WdacBidTrace」コマンドレットについて記載します (他のコマンドレットについては、「Windows Server 2012のWDACで使用できるPowerShellコマンドレットについて」を参照)。
■名前
Get-WdacBidTrace
■概要
WDACコンポーネントのトラブルシューティングのためのBuilt-in Diagnostics Tracing (BidTrace)の情報を取得します。
■構文
| Get-WdacBidTrace [[-Path] <string>] [-Platform <string> {32-bit | 64-bit | All}] [-ProcessId <uint32>] [-CimSession<CimSession[]>] [-ThrottleLimit <int32>] [-AsJob] [<CommonParameters>] Get-WdacBidTrace -Folder <string> [-Platform <string> {32-bit | 64-bit | All}] Get-WdacBidTrace -IncludeAllApplications [-Platform <string> {32-bit | 64-bit | All}] |
■説明
Get-WdacBidTraceコマンドレットは、異なるアプリケーションのためにBidTrace設定のリストを取得します。
データ アクセス トレース (Bidtrace)に関する詳細な情報については、Data Access Tracing (Windows 8)を参照してください。
■パラメーター
-AsJob
バックグラウンド ジョブとして、コマンドレットを実行します。完了するまでに長時間要するコマンドを実行する場合、このパラメーターを使用します。 コマンドレットは、ジョブとして扱われるオブジェクトを返し、コマンドプロンプト上に表示します。ジョブが完了する間、セッション中で実行し続けることが可能です。ジョブを管理するために、*-Jobコマンドレットを使用済ます。ジョブの結果を得るためには、Receive-Jobコマンドレットを使用します。Windows PowerShellバックグランド ジョブに関する詳細な情報は、about_Jobsを参照してください。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-CimSession <CimSession[]>
リモート セッション内、もしくはリモート コンピューター上でコマンドレットを実行します。New-CimSessionコマンドレット、もしくはGet-CimSessionコマンドレットの出力のようなコンピューター名、もしくはセッション オブジェクトをに入力します。 既定ではローカル コンピューター上のカレント セッションとなります。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-Folder <string>
指定したフォルダーに関連付けられているWDAC BidTrace設定のみを取得します。ワイルドカードの使用が可能です。
| エイリアス | なし |
| 必須 | true |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | true (ByPropertyName) |
| ワイルドカード文字を許可する | true |
-IncludeAllApplications
「all applications」に関連付けられたWDAC BidTrace設定のみを取得します。
| エイリアス | なし |
| 必須 | true |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | true (ByPropertyName) |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-Path <string>
指定したアプリケーション フルパスに関連付けられたWDAC BidTraceのみを取得します。 ワイルドカードの使用が可能です。既定では、すべてのWDAC BidTrace設定を返します。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | 1 |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | true (ByPropertyName) |
| ワイルドカード文字を許可する | true |
-Platform <string>
取得するWDAC BidTrace設定のプラットフォーム アーキテクチャを指定します。 指定可能な値は、「32-bit」、「64-bit」、および「All」です。 このコマンドがリモートCIMセッションで実行されるならば、これはリモート マシンのプラットフォーム アーキテクチャです。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | true (ByPropertyName) |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-ProcessId <uint32>
指定したプロセスIDに関連付けられたWDAC BidTrace設定のみを取得します。-ProcessIdパラメーターはオプションです。既定では、すべてのWDAC BidTrace設定を返します。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | true (ByPropertyName) |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-ThrottleLimit <int32>
コマンドレットを実行するために設定することができる並列実行の最大数を指定します。このパラメータが省略される、もしくは値に0が入力される場合、Windows PowerShellは、コンピューター上で動作しているCIMコマンドレットの数に基づいて、コマンドレットに対する最適のスロットル制限を計算します。スロットル制限は、現在のコマンドレットのみに適用され、セッションもしくはコンピューターには適用されません。
| エイリアス | なし |
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | なし |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: -Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-WarningAction、-WarningVariable、-OutBuffer、および-OutVariable。詳細については、「about_commonparameters」と入力してヘルプを参照してください。
■入力
System.String
System.Management.Automation.SwitchParameter
System.UInt32
■出力
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance[]
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance#MSFT_WdacBidTrace
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance[]
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance#MSFT_WdacBidTrace
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance[]
Microsoft.Management.Infrastructure.CimInstance#MSFT_WdacBidTrace
■エイリアス
なし
■メモ
このコマンドレットを含むモジュールのヘルプ ファイルをダウンロードしてインストールするには、Update-Helpを使用してください。
■例
例1
Get-WdacBidTrace
例1:説明
このコマンドは、32ビットおよび64ビット両方のすべてのBidTrace設定を取得します。
例2
Get-WdacBidTrace -Path "C:tempabc.exe" -Platform 32-bit
例2:説明
このコマンドは、32ビット プラットフォーム上に存在するプロセス インスタンスのすべての指定した設定の「C:tempabc.exe」アプリケーションのBidTrace設定を取得します。
例3
Get-WdacBidTrace -Path "C:tempabc.exe" -ProcessId 1234 -Platform 64-bit
例3:説明
このコマンドは、64ビット プラットフォーム上に存在するプロセスIDが1234である「C:tempabc.exe」アプリケーションのBidTrace設定を取得します。
例4
Get-WdacBidTrace -Path "C:*abc.exe" -Platform 64-bit
例4:説明
このコマンドは、64ビット プラットフォーム上に存在する「C:*abc.exe」ワイルドカードのパターンにマッチするアプリケーションに対するBidTrace設定を取得します。
例5
Get-WdacBidTrace -Folder "C:temp" -Platform 32-bit
例5:説明
このコマンドは、32ビット プラットフォーム上に存在する「C:temp」内に位置するアプリケーションに対するBidTrace設定を取得します。
例6
Get-WdacBidTrace -Folder "C:t*mp" -Platform 32-bit
例6:説明
このコマンドは、32ビット プラットフォーム上に存在する「C:t*mp」ワイルドカード パターンにマッチするフォルダー内に位置するアプリケーションに対するBidTrace設定を取得します。
例7
Get-WdacBidTrace -IncludeAllApplications -Platform 32-bit
例7:説明
このコマンドは、コンピューター上のBidTrace設定 (すべての32ビット アプリケーション) を取得します。
例8
$bidArray = Get-WdacBidTrace
例8:説明
このコマンドは、出力結果をPowerShell変数に格納します。
■関連するリンク
- Disable-WdacBidTrace
- Enable-WdacBidTrace
- Wdac
[参考]
- Get-WdacBidTrace – Windows Server 2012
http://technet.microsoft.com/en-us/library/hh771018.aspx - Windows Server 2012 用 Windows PowerShell のサポート
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh801904.aspx - Windows Data Access Components (WDAC) Cmdlets in Windows PowerShell – Windows Server 2012
http://technet.microsoft.com/en-us/library/hh771019.aspx
コメント
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