StorSimple は、Microsoft 社が提供するハイブリッドのクラウド ストレージ サービスです。 Microsoft Azure と組み合わせることで、Azure ストレージを拡張領域として利用することが可能であり、また別拠点でのデータ復旧が可能であることから、効率的なデータ管理、災害対策が実現できます。
Azure StorSimple デバイスの管理に使用することが可能な PowerShell コマンドレットが提供されており、設定方法について MSDN サイト上で公開されていますが、PowerShell コマンドレットのヘルプについては英語のみであり、日本語による情報はほとんど公開されていません。
Azure StorSimple 関連の PowerShell コマンドレットの 1 つである「New-AzureStorSimpleNetworkConfig」について、本ブログにて日本語の情報として纏めてみました((他の PowerShell コマンドレットについては、「Azure StorSimple 関連の PowerShell コマンドレットについて」を参照) (Windows Azure PowerShell バージョン 0.9.7 で確認しているものとなります)。
■名前
New-AzureStorSimpleNetworkConfig
■概要
ネットワーク構成オブジェクトを作成します。
■構文
New-AzureStorSimpleNetworkConfig [-InterfaceAlias] {Data0 | Data1 | Data2 | Data3 | Data4 | Data5} [[-IPv4Netmask] [<String>]] [[-EnableIscsi] [<Boolean>]] [[-EnableCloud] [<Boolean>]] [[-Controller0IPv4Address] [<String>]] [[-Controller1IPv4Address] [<String>]] [[-IPv6Gateway] [<String>]] [[-IPv4Gateway] [<String>]] [[-IPv4Address] [<String>]] [[-IPv6Prefix] [<String>]] [-Profile [<AzureProfile>]] [<CommonParameters>] |
■説明
New-AzureStorSimpleNetworkConfig コマンドレットは、Set-AzureStorSimpleDevice コマンドレットに渡すネットワーク構成オブジェクトを作成します。Data0 インターフェイスのみ -Controller0IPAddress パラメーター および -Controller1IPAddress パラメーターを設定します。Data0 は 3 つの設定のみをサポートします: Controller0IPAddress、Controller1IPAdress および EnableIscsi
■パラメーター
-Controller0IPv4Address [<String>]
コントローラー 0 の IPv4 アドレスを指定します。このパラメーターは Data0 インターフェイスのみ指定します。
必須 | false |
位置 | 4 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Controller1IPv4Address [<String>]
コントローラー 0 の IPv4 アドレスを指定します。このパラメーターは Data0 インターフェイスのみ指定します。
必須 | false |
位置 | 5 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-EnableCloud [<Boolean>]
インターフェイスをクラウド有効にするかどうかを示します。
必須 | false |
位置 | 3 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-EnableIscsi [<Boolean>]
インターフェイスをインターネット SCSI (iSCSI) を有効にするかどうかを示します。
必須 | false |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-InterfaceAlias <String>
このコマンドレットが設定を供給するためのインターフェイスのインターフェイス エイリアスを指定します。有効な値は、Data0 から Data5 までです。
必須 | true |
位置 | 1 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IPv4Address [<String>]
インターネットの IPv4 を指定します。Azure プロファイルを指定します。
必須 | false |
位置 | 8 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IPv4Gateway [<String>]
ゲートウェイの IPv4 アドレスを指定します。
必須 | false |
位置 | 7 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IPv4Netmask [<String>]
インターフェイスの IPv4 ネットマスクを指定します。
必須 | false |
位置 | 10 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IPv6Gateway [<String>]
インターフェイスの IPv6 ゲートウェイを指定します。
必須 | false |
位置 | 6 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IPv6Prefix [<String>]
インターフェイスの IPv6 プレフィックスを指定します。
必須 | false |
位置 | 9 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Profile [<AzureProfile>]
Azure プロファイルを指定します。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: –Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-WarningAction、-WarningVariable、-OutBuffer、-PipelineVariable、および -OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
■入力
- なし
■出力
- NetworkConfig
このコマンドレットは、以下のプロパティが含まれる NetworkConfig オブジェクトを返します。- IsIscsiEnabled (Boolean)
- IsCloudEnabled (Boolean)
- Controller0IPv4Address (IPAddress)
- Controller1IPv4Address (IPAddress)
- IPv6Gateway (IPAddress)
- IPv4Gateway (IPAddress)
- IPv4Address (IPAddress)
- IPv6Prefix (String)
- IPv4Netmask (IPAddress)
- IPv4Netmask (IPAddress)
■メモ
- 詳細については、「Get-Help New-AzureStorSimpleNetworkConfig -detailed」と入力してください。
- 技術情報については、「Get-Help New-AzureStorSimpleNetworkConfig -full」と入力してください。
■エイリアス
- なし
■例
例 1: インターフェイスの構成
New-AzureStorSimpleNetworkConfig -InterfaceAlias Data0 -EnableIscsi $True -Controller0IPv4Address "10.67.64.48" -Controller1IPv4Address "10.67.64.49"
VERBOSE: ClientRequestId: 0621d220-a460-48ec-84ec-02a3a82f88b2_PS
IsIscsiEnabled : True VERBOSE: Successfully created a StorSimple Network Configuration for interface Data0 |
このコマンドは、Data0 インターフェイスのネットワーク構成を作成します。このコマンドは、-Controller0IPv4Address、-Controller1IPv4Address、および -EnableIscsi パラメーターを指定します。このコマンドレットは、これらの 3 つのパラメーターで Data0 を構成することが可能です。
例 2: Data0 以外のインターフェイスの設定
New-AzureStorSimpleNetworkConfig -InterfaceAlias Data1 -EnableIscsi $True -EnableCloud $True -IPv6Gateway "db8:421e:9a8::a4:1c50" -IPv4Gateway "10.67.64.1" -IPv4Address "10.67.64.48" -IPv6Prefix "2001:db8:a::123/64" -IPv4Netmask "255.255.0.0"
VERBOSE: ClientRequestId: 3a15ff0e-b769-4329-9147-676b1e0acd7d_PS
IsIscsiEnabled : True |
このコマンドは、Data1 インターフェイスを構成します。
例 3: デバイス構成の修正
$NetworkConfigData0 = New-AzureStorSimpleNetworkConfig -InterfaceAlias Data0 -EnableIscsi $True -Controller0IPv4Address "10.67.64.48" -Controller1IPv4Address "10.67.64.49" $OnlineDevice = @(Get-AzureStorSimpleDevice | Where { $_.Status -eq "Online"})[0] $UpdatedDetails = Set-AzureStorSimpleDevice -DeviceId $OnlineDevice.DeviceId -StorSimpleNetworkConfig $NetworkConfigData0
VERBOSE: ClientRequestId: 0f163163-5ad0-4635-a7b5-870d47297f66_PS VERBOSE: Successfully created a StorSimple Network Configuration for interface Data0 VERBOSE: ClientRequestId: 552e4a6c-7006-4015-a20b-9def6428a85e_PS VERBOSE: ClientRequestId: f31cc84c-bc8a-404a-9da6-4670a7999e75_PS VERBOSE: 1 StorSimple device found! VERBOSE: ClientRequestId: 545bc1a9-3c1b-4e50-89a6-9678aefe79e5_PS VERBOSE: ClientRequestId: f114ad08-47f5-4fb8-8a01-1ea7f1ed1b98_PS VERBOSE: About to configure the device : newDeviceName ! VERBOSE: ClientRequestId: 6afe7927-1c19-48d3-ac22-68148fd056b8_PS VERBOSE: The task created for your Setup operation has completed successfully. VERBOSE: ClientRequestId: 467c142c-90da-4d75-82a4-c114afce953d_PS VERBOSE: Successfully updated configuration for device newDeviceName with id 865e68f6-1e71-47b6-80d5-15d3a23bd2b0 |
1 番目のコマンドは、Data0 インターフェイスのネットワーク構成を作成します。このコマンドは、このコマンドは、-Controller0IPv4Address、-Controller1IPv4Address、および -EnableIscsi パラメーターを指定します。コマンドは、変数 $NetworkConfigData0 に結果を格納します。
2 番目のコマンドは、オンライン StorSimple デバイスを取得するために Get-AzureStorSimpleDevice コマンドレットおよび Where-Object コマンドレットを用いて、$OnlineDevice 変数を格納します。
最後のコマンドは、Set-AzureStorSimpleDevice コマンドレットを用いることで、指定したデバイス ID を持つデバイスの構成を修正します。コマンドは、現在のコマンドレットが最初のコマンドで作成した構成オブジェクトを使用しています。
■関連するトピック
- Set-AzureStorSimpleDevice
- Get-AzureStorSimpleDevice
[参考]
- New-AzureStorSimpleNetworkConfig
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn708653.aspx - Azure StorSimple Cmdlets
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn920427.aspx - ハイブリッド クラウド ストレージによるコストおよびデータ保護の最適化 | StorSimple | マイクロソフト
http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products/storsimple/explore.aspx - StorSimple
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/azure/Dn772442.aspx