StorSimple は、Microsoft 社が提供するハイブリッドのクラウド ストレージ サービスです。 Microsoft Azure と組み合わせることで、Azure ストレージを拡張領域として利用することが可能であり、また別拠点でのデータ復旧が可能であることから、効率的なデータ管理、災害対策が実現できます。
Azure StorSimple デバイスの管理に使用することが可能な PowerShell コマンドレットが提供されており、設定方法について MSDN サイト上で公開されていますが、PowerShell コマンドレットのヘルプについては英語のみであり、日本語による情報はほとんど公開されていません。
Azure StorSimple 関連の PowerShell コマンドレットの 1 つである「Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob」について、本ブログにて日本語の情報として纏めてみました((他の PowerShell コマンドレットについては、「Azure StorSimple 関連の PowerShell コマンドレットについて」を参照) (Windows Azure PowerShell バージョン 0.9.7 で確認しているものとなります)。
■名前
Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob
■概要
デバイス上のバックアップを複製するジョブを開始します。
■構文
Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob [-BackupId] <String> [-Snapshot] <Snapshot> [-CloneVolumeName] <String> [[-TargetAccessControlRecords] [<0, Culture=neutral, PublicKeyToken=null>]] [[-Force]] [-Profile [<AzureProfile>]] [<CommonParameters>]
Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob [-SourceDeviceName] <String> [-TargetDeviceName] <String> [-BackupId] <String> [-Snapshot] <Snapshot> [-CloneVolumeName] <String> [[-TargetAccessControlRecords] [<0, Culture=neutral, PublicKeyToken=null>]] [[-Force]] [-Profile [<AzureProfile>]] [<CommonParameters>] Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob [-SourceDeviceId] <String> [-TargetDeviceId] <String> [-BackupId] <String> [-Snapshot] <Snapshot> [-CloneVolumeName] <String> [[-TargetAccessControlRecords] [<0, Culture=neutral, PublicKeyToken=null>]] [[-Force]] [-Profile [<AzureProfile>]] [<CommonParameters>] |
■説明
Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob コマンドレットは、StorSimple デバイス上に存在するバックアップを複製するジョブを開始します。
■パラメーター
-BackupId <String>
複製するバックアップのインスタンス ID を指定します。
必須 | true |
位置 | 3 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-CloneVolumeName <String>
ターゲット デバイス上の新しい複製されたデバイス名を指定します。
必須 | true |
位置 | 5 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Force [<SwitchParameter>]
ユーザーの確認なしで強制的にコマンドを実行します。
必須 | false |
位置 | 7 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Profile [<AzureProfile>]
Azure プロファイルを指定します。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Snapshot <Snapshot>
このコマンドレットが複製した Snapshot オブジェクトを指定します。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | true (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-SourceDeviceId <String>
ソース デバイスのインスタンス ID を指定します。ソース デバイスから逆に複製します。
必須 | true |
位置 | 1 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-SourceDeviceName <String>
ソース デバイス名を指定します。ソース デバイスから逆に複製します。
必須 | true |
位置 | 1 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-TargetAccessControlRecords [<0, Culture=neutral, PublicKeyToken=null>]
アクセス制御レコードを指定します。
必須 | false |
位置 | 6 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | true (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-TargetDeviceId <String>
ターゲット デバイスのインスタンス ID を指定します。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-TargetDeviceName <String>
このコマンドレットがバックアップを複製するデバイス名を指定します。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: –Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-WarningAction、-WarningVariable、-OutBuffer、-PipelineVariable、および -OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
■入力
- Snapshot, List of AccessControlRecord
このコマンドレットへ Snapshot オブジェクト、もしくは AccessControlRecord オブジェクトの一覧を渡すことが可能です。
■出力
■メモ
- 詳細については、「Get-Help Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -detailed」と入力してください。
- 技術情報については、「Get-Help Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -full」と入力してください。
■エイリアス
- なし
■例
例 1: デバイス名を用いた異なるボリュームへのバックアップの複製
$Backup = Get-AzureStorSimpleDeviceBackup -DeviceName "ContosoDev07" -First 1 $Acrs = Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord -ACRName "Acr01" Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -SourceDeviceName "ContosoDev07 -TargetDeviceName "ContosoDev07" -BackupId $Backup.InstanceId -Snapshot $Backup.Snapshots[0] -CloneVolumeName "cloned_volume11" -TargetAccessControlRecords $Acrs
VERBOSE: ClientRequestId: 43d8b4dc-39da-4ec5-92f6-be1f499155e9_PS VERBOSE: ClientRequestId: be7a73a7-980c-4ba2-82d4-f6a7ee0eac0a_PS VERBOSE: ClientRequestId: ee02aaae-d366-43d2-a229-8761d6db39f1_PS Confirm |
1 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleDeviceBackup コマンドレットを用いてデバイス名「ContosoDev07」に対する最初のバックアップを取得します。コマンドは、変数 $Backup にバックアップを格納します。
2 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord コマンドレットを用いてアクセス制御レコードを取得します。コマンドは、変数 $Acrs に結果を格納します。
最後のコマンドは、同じデバイス上の異なるボリュームへデバイス上にある指定したバックアップの複製を行うジョブを開始します。この例では、デバイス名を指定しています。コマンドは、$Backup および $Acrs に格納された値を用います。コマンドは、ジョブ ID を返します。
例 2: デバイス ID を用いた異なるボリュームへのバックアップの複製
$Backup = Get-AzureStorSimpleDeviceBackup -DeviceName ContosoDev07 -First 1 $Acrs = Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord -ACRName "Acr01" Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -SourceDeviceId "be7a73a7-980c-4ba2-82d4-f6a7ee0eacbb" -TargetDeviceId "be7a73a7-980c-4ba2-82d4-f6a7ee0eacbb" -BackupId $Backup.InstanceId -Snapshot $Backup.Snapshots[0] -CloneVolumeName "cloned_volume11" -TargetAccessControlRecords $Acrs
VERBOSE: ClientRequestId: 43d8b4dc-39da-4ec5-92f6-be1f499155e9_PS VERBOSE: ClientRequestId: be7a73a7-980c-4ba2-82d4-f6a7ee0eac0a_PS VERBOSE: ClientRequestId: ee02aaae-d366-43d2-a229-8761d6db39f1_PS Confirm |
1 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleDeviceBackup コマンドレットを用いてデバイス名「ContosoDev07」に対する最初のバックアップを取得します。コマンドは、変数 $Backup にバックアップを格納します。
2 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord コマンドレットを用いてアクセス制御レコードを取得します。コマンドは、変数 $Acrs に結果を格納します。
最後のコマンドは、同じデバイス上の異なるボリュームへデバイス上のボリュームの指定したバックアップを複製するジョブを開始します。この例では、デバイス ID に対するデバイス名を指定しています。コマンドは、$Backup および $Acrs に格納された値を用います。コマンドは、ジョブ ID を返します。
例 3: デバイス名を用いた異なるデバイス上にあるボリュームへのバックアップの複製
$Backup = Get-AzureStorSimpleDeviceBackup -DeviceName "ContosoDev07" -First 1 $Acrs = Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord -ACRName "Acr01" Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -SourceDeviceName "ContosoDev07" -TargetDeviceName "ContosoDev12" -BackupId $Backup.InstanceId -Snapshot $Backup.Snapshots[0] -CloneVolumeName "cloned_volume11" -TargetAccessControlRecords $Acrs
VERBOSE: ClientRequestId: 43d8b4dc-39da-4ec5-92f6-be1f499155e9_PS VERBOSE: ClientRequestId: be7a73a7-980c-4ba2-82d4-f6a7ee0eac0a_PS VERBOSE: ClientRequestId: ee02aaae-d366-43d2-a229-8761d6db39f1_PS Confirm |
1 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleDeviceBackup コマンドレットを用いてデバイス名「ContosoDev07」に対する最初のバックアップを取得します。コマンドは、変数 $Backup にバックアップを格納します。
2 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord コマンドレットを用いてアクセス制御レコードを取得します。コマンドは、変数 $Acrs に結果を格納します。
最後のコマンドは、異なるデバイス上のボリュームへデバイス上のボリュームの指定したバックアップを複製するジョブを開始します。 この例では、デバイス名を指定しています。コマンドは、$Backup および $Acrs に格納された値を用います。コマンドは、ジョブ ID を返します。
例 4 : デバイス名およびパイプライン操作を用いた異なるボリュームへのバックアップの複製
$Backup = Get-AzureStorSimpleDeviceBackup -DeviceName ContosoDev1 -First 1 Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord -ACRName acr1 | Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob -SourceDeviceName ContosoDev1 -TargetDeviceName ContosoDev1 -BackupId $backup.InstanceId -Snapshot $backup.Snapshots[0] -CloneVolumeName "cloned_vol1"
VERBOSE: ClientRequestId: 1183a29d-63a9-408a-9065-032c92d317ee_PS VERBOSE: ClientRequestId: e195717c-5920-4133-bdf0-c1201ebabf6f_PS VERBOSE: ClientRequestId: ac16644d-bfd8-4edf-b1ad-f5df4ceb4df7_PS VERBOSE: ClientRequestId: dcdcab7f-2aaa-496d-8a18-2e7449a70227_PS VERBOSE: ClientRequestId: 6f92e422-eda9-4087-aefb-2257a49f5beb_PS Confirm |
最初のコマンドは、Get-AzureStorSimpleDeviceBackup コマンドレットを用いてデバイス名「ContosoDev07」に対する最初のバックアップを取得します。コマンドは、変数 $Backup 内にバックアップを格納します。
2 番目のコマンドは、Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord コマンドレットを用いてアクセス制御レコードを取得します。コマンドは、パイプライン操作を用いて現在のコマンドレットへ結果を渡します。現在のコマンドレットは、同じデバイス上の異なるボリュームへ、デバイス上のボリュームの指定したバックアップを複製するジョブを開始します。この例では、デバイス名を指定しています。コマンドは、$Backup に格納された値を用います。コマンドは、パイプラインから -TargetAccessControlRecords パラメーターの値をとります。コマンドは、ジョブ ID を返します。
■関連するトピック
- Get-AzureStorSimpleDeviceBackup
- Get-AzureStorSimpleAccessControlRecord
[参考]
- Start-AzureStorSimpleBackupCloneJob
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn708638.aspx - Azure StorSimple Cmdlets
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/dn920427.aspx - ハイブリッド クラウド ストレージによるコストおよびデータ保護の最適化 | StorSimple | マイクロソフト
http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products/storsimple/explore.aspx - StorSimple
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/azure/Dn772442.aspx