System Center 2016 – Data Protection Manager (DPM 2016) の DPM 管理シェルは、PowerShell を用いたコマンドライン インタフェースです。
DPM 管理シェルは、デスクトップ上のアイコン、もしくは [スタート メニュー] – [Microsoft System Center 2016] – [DPM 管理シェル] を選択、クリックすることで起動することが可能です。
DPM 2016 の管理を目的として様々なコマンドレットが DPM 管理シェルに用意されていますが、 コマンドレットのヘルプについては、日本語の情報は公開されていません。
このヘルプ情報について、「Get-Help」コマンドレットの -Full オプションを用いて実行した結果を編集、意訳しました。
この記事では、「Set-DPMPolicySchedule」コマンドレットについて記載します (他のコマンドレットについては、「System Center 2016 – Data Protection Manager の DPM 管理シェルで使用できるコマンドレットについて」を参照)。
Set-DPMPolicySchedule コマンドレット
名前
Set-DPMPolicySchedule
エイリアス
Set-PolicySchedule
概要
保護ジョブのスケジュールを設定します。
構文
Set-DPMPolicySchedule [-ProtectionGroup] <ProtectionGroup> [-JobType] {CheckDataIntegrity} [-PassThru] [-Remove] [-Confirm] [-WhatIf] [<CommonParameters>]
Set-DPMPolicySchedule [-ProtectionGroup] <ProtectionGroup> [-OffsetInMinutes] <Int32> [-PassThru] [-Confirm] [-WhatIf] [<CommonParameters>] Set-DPMPolicySchedule [-ProtectionGroup] <ProtectionGroup> [-Schedule] <Schedule> [-PassThru] [-Confirm] [-WhatIf] [<CommonParameters>] |
説明
Set-DPMPolicySchedule コマンドレットは、System Center 2016 – Data Protection Manager (DPM) の保護ジョブのスケジュールを設定します。
Set-DPMPolicyObjective コマンドレットを用いて保護の目標を指定する場合、DPM は、自動的に既定のスケジュールを設定します。既定のスケジュールを変更するには、Get-DPMPolicySchedule コマンドレットに続けて、Set-DPMPolicySchedule コマンドレットを実行します。
このコマンドレットは、スケジュールを定義するために使用可能な次の動的パラメーターが含まれます :
高速完全、およびシャドウ コピー スケジュールについては、次の例のように、パラメーターを指定します :
[-TimesOfDay] <TimesOfDay> [-DaysOfWeek]<DaysOfWeek>
-TimesOfDay “6:00 AM”
-TimesOfDay “12:00 AM” -DaysOfWeek We,Th
毎月、半年ごと、毎年の毎日のアーカイブ スケジュールについては、次の例のように、パラメーターを指定します :
[-StartTime] <StartTime> [-RelativeInterval <RelativeInterval>] [-DaysOfWeek <DaysOfWeek>]
-StartTime “1/1/2003 6:00 AM” -RelativeInterval First -DaysOfWeek Sa
毎日のアーカイブ スケジュールについては、次の例のように、パラメーターを指定します :
[-TimeOfDay] <TimeOfDay>
-StartTime “6:00 AM”
四半期ごとのアーカイブ スケジュールについては、次の例のように、パラメーターを指定します :
[-StartTime] <StartTime>
-StartTime “1/1/2003 6:00 AM”
パラメーター
-JobType <SetPolicyScheduleCmdlet+ProtectionJobType>
このコマンドレットが、オプションを設定するジョブの種類を指定します。このパラメーターで有効な値は、ConsistencyCheck です。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-OffsetInMinutes <Int32>
ジョブの開始時刻をオフセット時間 (分単位) で指定します。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-PassThru [<SwitchParameter>]
作業中の項目を表すオブジェクトを返します。既定では、このコマンドレットは、出力を生成しません。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-ProtectionGroup <ProtectionGroup>
このスケジュールを適用する、保護グループ オブジェクトを指定します。ProtectionGroup オブジェクトを取得するには、Get-DPMProtectionGroup コマンドレットを用います。
必須 | true |
位置 | 1 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Remove [<SwitchParameter>]
このコマンドレットが、保護操作でスケジュールを削除する場合に指定します。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Schedule <Schedule>
スケジュール オブジェクトを指定します。スケジュールは、バックアップ ジョブの繰り返しです。各ジョブの種類には、DPM がトリガーする 1 つのスケジュールがあります。既定のスケジュールは、Set-DPMPolicyObjective コマンドレットを用いて作成します。
Get-DPMPolicySchedule コマンドレットを用いて既定のスケジュールをカスタマイズし、Set-DPMPolicySchedule コマンドレットにスケジュールを渡します。
必須 | true |
位置 | 2 |
既定値 | なし |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Confirm [<SwitchParameter>]
コマンドレットを実行する前に確認のプロンプトを表示します。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | false |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-WhatIf [<SwitchParameter>]
コマンドレットを実行する場合、何が起きるかを表示します。コマンドレットは実行されません。
必須 | false |
位置 | named |
既定値 | false |
パイプライン入力を許可する | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: -Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-WarningAction、-WarningVariable、-OutBuffer、-PipelineVariable、および -OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
入力
入力の種類は、コマンドレットにパイプ可能なオブジェクトの種類です。
出力
出力の種類は、コマンドレットが発行するオブジェクトの種類です。
- ProtectionGroup
例
例 1 : 保護グループ用の同期スケジュールを作成する
$PGroup = Get-DPMProtectionGroup -DPMServerName "DPMServer02" $ShadowCopysch = Get-PolicySchedule $PGroup -ShortTerm Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $PGroup -Schedule $ShadowCopysch -DaysOfWeek mo -TimesOfDay 02:00
最初のコマンドは、DPM サーバー「DPMServer02」から保護グループを取得し、変数 $PGroup に格納します。
2 番目のコマンドは、$PGroup の保護グループから整合性チェックを実行する短期間のスケジュールを取得、変数 $ShadowCopysch に格納します。
3 番目のコマンドは、毎週月曜 AM 2:00 に同期を実行するように設定します。
例 2 : 保護グループの同期スケジュールを変更する
$PGroup = Get-DPMProtectionGroup -dpmservername "ContosoDPM1" $Schedule = Get-DPMPolicySchedule $PGroup[1] -longterm $MPGroup = Get-DPMModifiableProtectionGroup -ProtectionGroup $PGroup[1] Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -Schedule $Schedule[2] -TimeOfDay "07:00 PM" Set-DPMProtectionGroup -ProtectionGroup $MPGroup
最初のコマンドは、DPM サーバー「ContosoDPM1」から保護グループを取得、変数 $PGroup に格納します。
2 番目のコマンドは、$PGroup の 2 番目の保護グループに対する長期間の同期スケジュールを取得、変数 $Schedule に格納します。
3 番目のコマンドは、$PGroup の 2 番目の保護グループを取得し、変数 $MPGroup に格納します。このコマンドは、編集可能なフォーマットで取得します。
4 番目のコマンドは、毎日 PM 7:00 に $Schedule の 3 番目のスケジュールに対してポリシー スケジュールを設定します。
5 番目のコマンドは、Set-DPMProtectionGroup コマンドレットを用いて変更を保存します。
例 3 : DPM サーバーの整合性チェックをスケジュールする
$PGroup = Get-DPMProtectionGroup "ContosoDPM1" $MPGroup = Get-DPMModifiableProtectionGroup -ProtectionGroup $PGroup Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -JobType CheckDataIntegrity -DaysOfWeek mo -TimesOfDay 18:00 Set-DPMProtectionGroup -ProtectionGroup $MPGroup
最初のコマンドは、DPM サーバー「ContosoDPM1」から保護グループを取得し、変数 $PGroup に格納します。
2 番目のコマンドは、$PGroup の保護グループを取得、編集可能なフォーマットで $MPGroup に格納します。
3 番目のコマンドは、サーバー上で毎週月曜 PM 6:00 にデータ整合性チェックを実行するようスケジュールします。
4 番目のコマンドは、Set-DPMProtectionGroup コマンドレットを用いて変更を保存します。
例 4 : 保護グループ用のオンライン バックアップおよび保持期間のスケジュールを作成する
$RRList = @() $RRList += (New-Object -TypeName Microsoft.Internal.EnterpriseStorage.Dls.UI.ObjectModel.OMCommon.RetentionRange -ArgumentList 18, Days) $RRList += (New-Object -TypeName Microsoft.Internal.EnterpriseStorage.Dls.UI.ObjectModel.OMCommon.RetentionRange -ArgumentList 10, Weeks) $RRList += (New-Object -TypeName Microsoft.Internal.EnterpriseStorage.Dls.UI.ObjectModel.OMCommon.RetentionRange -ArgumentList 6, Month) $RRList += (New-Object -TypeName Microsoft.Internal.EnterpriseStorage.Dls.UI.ObjectModel.OMCommon.RetentionRange -ArgumentList 5, Years) $PGroup = Get-ProtectionGroup -DPMServerName "DPMServer02"<br>$MPGroup = Get-ModifiableProtectionGroup -ProtectionGroup $PGroup[0] Set-DPMPolicyObjective -ProtectionGroup $MPGroup -OnlineRetentionRangeList $RRList<br>$onlineSch = Get-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -LongTerm Online Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -Schedule $nlineSchedule[0] -TimesOfDay 02:00 Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -Schedule $OnlineSchedule[1] -TimesOfDay 02:00 -DaysOfWeek Sa,Su -Interval 1 Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -Schedule $OnlineSchedule[2] -TimesOfDay 02:00 -RelativeIntervals First,Third -DaysOfWeek Sa Set-DPMPolicySchedule -ProtectionGroup $MPGroup -Schedule $OnlineSchedule[3] -TimesOfDay 02:00 -DaysOfMonth 2,5,8,9 -Months Jan,Jul
この例は、保護グループのオンライン バックアップおよび保持スケジュールを作成します。
最初から 8 番目のコマンドは、DPM サーバー「DPMServer02」から保護グループのオンライン ポリシーの目標を取得します。詳細情報は、Set-DPMPolicyObjective コマンドレットを参照してください。
9 番目のコマンドは、$MPGroup に格納された保護グループのオンラインスケジュールを取得、変数 $OnlineSchedule に格納します。
10 番目のコマンドは、週単位のバックアップ / 保持期間のオンライン スケジュールを更新します。
11 番目のコマンドは、週単位の保持期間のオンライン スケジュールを更新します。
12 番目のコマンドは、月単位の保持期間のオンライン スケジュールを更新します。
13 番目のコマンドは、年単位の保持期間のオンライン スケジュールを更新します。
関連するリンク
- Get-DPMPolicySchedule
- Get-DPMPolicyObjective
- Set-DPMPolicyObjective
参考
- Data Protection Manager Cmdlets
https://technet.microsoft.com/en-us/library/hh881730(v=sc.30).aspx - Set-DPMPolicySchedule
https://technet.microsoft.com/en-us/library/hh881723(v=sc.30).aspx