特にアナウンスがあったわけではありませんが、Hyper-V および VMware 上の仮想マシンで動作する StorSimple Virtual Array (SVA) のアップデート (Update 1.0) が公開されました。
- StorSimple Virtual Array Update 1.0 release notes | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/storsimple/storsimple-virtual-array-update-1-release-notes
Update 1.0 のバージョンは、「10.0.10296.0」となり、Azure ポータルからダウンロード可能な SVA の仮想イメージも Update 1.0 に更新されています。
アップグレードは、一旦 Update 0.6 に上げる必要がありますが、Azure ポータルの StorSimple デバイス マネージャー経由、もしくは Microsoft Update カタログから KB4047203 をダウンロード、SVA のローカル Web UI 経由で実施することが可能です。
- Install Update 1.0 on StorSimple Virtual Array | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/storsimple/storsimple-virtual-array-install-update-1
Update 1.0 の更新内容 (意訳)
Update 1.0 の新機能
Update 1.0 には、StorSimple デバイス マネージャー サービスの認証に関連する変更が含まれており、早急に導入する必要がある。このアップデートには、次の拡張機能とバグ修正が含まれる :
- StorSimple デバイス マネージャーの認証に Azure Active Directory (AAD) を使用 : Update 1.0 以降では、Azure Active Directoryが StorSimple デバイス マネージャー サービスの認証に使用される。古い認証メカニズムは、2017年12月までに廃止される予定。 すべての利用者は、ファイアウォール ルールに新しい認証 URL を含める必要がある。詳細な情報は、Networking requirements for your StorSimple Virtual Array に記載されている認証 URL を確認すること。
ファイアウォール ルールに認証 URL が含まれていない場合、StorSimple デバイスがサービス認証できなかったという重大な警告が利用者に表示される。利用者がこの警告を確認した場合、新しい認証 URL を含める必要がある。より詳細な情報は、StorSimple networking alerts を参照すること。 - パフォーマンスの改善 : クラウド読み取り、階層内、そして階層外の速度の改善が解消した、いくつかの不具合修正がある。結果として、iSCSI とファイル サーバー デバイスに対する、バックアップと回復の両方でパフォーマンスが改善された。
- ガベージ コレクションの改善 : このリリースでは、デバイスとストレージ アカウントが離れた 2つのリージョンにある場合、ガベージ コレクション サイクルのパフォーマンスを改善する不具合修正。
- ロギングの改善 : このリリースでは、ガベージ コレクションと I/O パスに関連した改善が含まれる。
Update 1.0 で修正された問題
このリリースで修正された問題は、次のとおり :
- AAD ベース認証
このリリースでは、AAD が StorSimple デバイス マネージャーで認証するための変更が含まれる。 - ガベージ コレクション
この問題は、デバイスとストレージ アカウントが異なるリージョンで存在するサイトで報告され、断続的なネットワーク エラーを報告、請求に影響を与えていた。このリリースでは、この問題を修正済み。 - パフォーマンス
このリリースでは、回復/クラウドの読み取り/階層内/階層外のパフォーマンスの改善による変更が含まれています。 - Updates
以前のリリースのアップデートによる問題で、利用しているサイトでバックアップ失敗が発生していた。この問題は、このリリースで修正済み。
Update 1.0 における既知の問題
StorSimple Virtual Array における既知の問題 (過去のリリースであった問題も含む) は、次のとおり :
- Updates
- 問題 :
プレビュー リリースで作成された仮想デバイスは、サポートされている General Availability (GA) バージョンへの更新不可。 - ワークアラウンド / コメント :
これらの仮想デバイスは、ディザスタ リカバリー (DR) ワークフローを使用して、GA リリースにフェールオーバーする必要がある。 - プロビジョニング済みのデータ ディスク
- 問題 :
特定の指定されたサイズのデータ ディスクをプロビジョニングし、対応する StorSimple 仮想デバイスの作成後、データ ディスクを拡張および縮小不可。実施した場合、デバイスのローカル層にあるすべてのデータが消失する。 - ワークアラウンド / コメント :
- グループ ポリシー
- 問題 :
デバイスがドメインに参加している際、グループ ポリシーを適用した場合にデバイスの動作に悪影響を及ぼすことがある。 - ワークアラウンド / コメント :
Virtual Array が Active Directory の独自の組織単位 (OU) にあり、グループ ポリシー オブジェクト (GPO) が適用されていないことを確認する必要がある。 - ローカル Web UI
- 問題 :
Internet Explorer の拡張セキュリティ機能 (IE ESC) を有効にした場合、[Troubleshooting] や [Maintenance] など、ローカル Web UI の一部のページが正しく動作しないことがある。また、これらのページ上のボタンも動作しないことがある。 - ワークアラウンド / コメント :
Internet Explorer の拡張セキュリティ機能を無効にする。 - Local web UI
- 問題 :
Hyper-V 仮想マシンにて、Web UI のネットワーク インターフェイスは 10 Gbps のインターフェイスとして表示される。 - ワークアラウンド / コメント :
Hyper-V の動作が反映されており、仮想ネットワーク アダプターに対して常に 10 Gbps と表示されるため。 - 階層化ボリュームと共有
- 問題 :
StorSimple の階層化ボリュームを使用するアプリケーションのバイト範囲ロックは非サポート。バイト範囲ロックを有効にした場合、StorSimple の階層化機能は動作しない。 - ワークアラウンド / コメント :
推奨される方法 : アプリケーション ロジックでバイト範囲ロックを無効にする。
階層化ボリュームではなく、ローカル固定ボリュームにアプリケーションのデータを配置する。
注 : ローカル固定ボリュームを使用、かつバイト範囲ロックを有効にした場合、復元が完了する前でもローカル固定ボリュームがオンラインになる場合がある。 この場合、復元中であれば、復元が完了するまで待機する必要がある。 - 階層化共有
- 問題 :
複数の大きなファイルを処理した際、階層化に時間がかかる可能性がある。 - ワークアラウンド / コメント :
複数の大きなファイルを処理する際、最も大きなファイル サイズを共有サイズの 3% 未満であることを推奨。 - 共有の使用量
- 問題 :
共有にデータが存在している場合でも、共有の使用量が表示される (共有の使用済み容量にメタデータが含まれているため)。 - ワークアラウンド / コメント :
- ディザスタ リカバリー
- 問題 :
ファイル サーバーのディザスタ リカバリーは、ソース デバイスと同じドメインに対してのみ実行可能。別のドメインのターゲット デバイスに対するディザスタ リカバリは、非サポートとなる。 - ワークアラウンド / コメント :
今後のリリースで実装予定。詳細な情報は、Failover and disaster recovery for your StorSimple Virtual Array を参照。 - Azure PowerShell
- 問題 :
Azure PowerShell を用いた StorSimple 仮想デバイスの管理不可。 - ワークアラウンド / コメント :
仮想デバイスの管理は、Azure ポータルおよびローカル Web UI を用いて行う必要がある。 - パスワードの変更
- 問題 :
Virtual Array デバイス コンソールは、en-US キーボード形式の入力のみを許可。 - ワークアラウンド / コメント :
- CHAP
- 問題 :
作成した CHAP 資格情報の削除不可。CHAP 資格情報を変更する場合、変更を有効にするためにボリュームをオフラインにしてからオンラインにする必要がある。 - ワークアラウンド / コメント :
今後のリリースで対応予定。 - iSCSI サーバー
- 問題 :
iSCSI ボリュームに表示される ‘使用済みストレージ’ は、StorSimple Manager サービスと iSCSI ホストで異なる場合がある。 - ワークアラウンド / コメント :
iSCSI ホストはファイルシステム ビューがある。デバイスでは、ボリュームが最大サイズのときに割り当てられるブロックを認識する。 - ファイル サーバー
- 問題 :
フォルダ内のファイルに関連付けられている代替データ ストリーム (ADS) がある場合、ADS のディザスタ リカバリ、クローン、および項目レベルの回復によるバックアップ、もしくは復元不可。 - ワークアラウンド / コメント :
- ファイル サーバー
- 問題 :
シンボリック リンクは、サポートしない。 - ワークアラウンド / コメント :
- ファイル サーバー
- 問題 :
StorSimple Virtual Array ファイル サーバーにコピーまたは格納すると、Windows 暗号化ファイル システム (EFS) によって保護されたファイルは、サポートされていない構成となる。 - ワークアラウンド / コメント :
- Updates
- 問題 :
ローカル UI 経由で修正プログラムをインストール使用とした際、エラーコード : 2359302 (hex 0x240006) が表示される場合がある。これは、修正プログラムが既にデバイスにインストールされていることを意味する。 - ワークアラウンド / コメント :
- Updates
- 問題 :
ローカル Web UI を使用して仮想アレイに Update 1.0 をインストールする場合、Update 0.6 が実行されていることを確認する必要がある。Update 0.6 以前のバージョンを実行している場合、まず Update 0.6 をインストールしてから Update 1 を適用する必要がある。Update 0.6 以前のバージョンから Update 1.0 を直接インストールすると、アップデートが不足し、監視チャートが機能しなくなる。 - ワークアラウンド / コメント :
参考
- Microsoft Azure Cloud Computing Platform & Services
https://azure.microsoft.com/ja-jp/ - Blog | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/ - StorSimple – ハイブリッド クラウド ストレージ | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/storsimple/ - Azure StorSimple のドキュメント – チュートリアル | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storsimple/ - 価格 – StorSimple | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/storsimple/