Azure Site Recovery (ASR) の更新プログラムである Update Rollup 30 for Azure Site Recovery (KB4466466) が公開されました。
- Update Rollup 30 for Azure Site
https://support.microsoft.com/en-us/help/4468181
Azure Site Recovery には、大きく分けて「Hyper-V ベース (SCVMM 含む)」向け、および「VMware ベース (物理、他仮想化/他クラウド基盤含む)」向けの 2 種類のインストーラーが存在し、これらに加えて、エージェント (Microsoft Azure Recovery Services Agent) が存在します。
以下、Update Rollup 30 for Azure Site Recvoery における各インストーラーのバージョンとなりますが、インストーラー自体は Update Rollup 29 for Azure Site Recvoery のものと同一でした。
- Microsoft Azure Site Recovery Provider (version: 5.1.3650.0)
- Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup (VMware to Azure) (version: 9.19.5007.1)
- Microsoft Azure Recovery Services Agent (version: 2.0.9139.0)
Update Rollup 30 for Azure Site Recovery について
Update Rollup 29 for Microsoft Azure Site Recovery Provider は、Microsoft Azure Site Recovery Service Provider がインストールされているすべてのシステムに適用することができ、以下が含まれます :
- Microsoft Azure Site Recovery Provider for System Center Virtual Machine Manager (3.3.x.x)
- Microsoft Azure Site Recovery Hyper-V Provider (4.6.x.x)
- Microsoft Azure Site Recovery Provider (5.1.3200.x)
Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup (VMware to Azure) は、Microsoft Azure Site Recovery Services Unified Setup バージョン 9.15.4860.1 以降がインストールされたすべてのシステムに適用することができます。
この更新プログラムによる改善
この更新プログラムを適用する場合、次の改善が行われます。
Microsoft Azure Site Recovery Provider
問題の修正
- VMware-to-Azure ディザスター リカバリーのシナリオでは、vNet のデフォルト サブネットが利用者の選択にかかわらず、”enable replication” 処理中にターゲット サブネットとして選択されました。これは、レプリケーション中の利用者のサブネットの選択が尊重されるように修正されています。
Microsoft Azure Site Recovery (Service)
改善
- 初期化されていないディスクは、Azure VM のレプリケーション時に自動的に除外されます。
- 新しい地域 (Australia Central 1 および Australia Central 2) のサポートが追加されました。
- Azure Disk Encryption 対応仮想マシンのサポートが追加されました。
- Azure VM のレプリケーション中に、ファイアウォール対応の Azure ストレージ アカウントのサポートが追加されました (これは現在、Azure PowerShell を介してのみ利用可能です)。
問題の修正
- Azure-to-Azure (A2A) 初期レプリケーションでは論理ユニット番号 (LUN) が保持されませんでした。これは修正されました。
Azure Site Recovery オンプレミス コンポーネントのアップデート
Azure リージョン間
- Azure portal にアクセスし、該当の “Recovery services コンテナー” に移動します。
- 該当の “Recovery services コンテナー” の Azure ポータル内にある “レプリケートされたアイテム” ペインにアクセスします。
- 画面上の上部にある次の通知をクリックします :
New Site Recovery replication agent update is available.
Click to install -> - アップデートを適用する VM を選択し、[OK] をクリックします。
2 つのオンプレミス VMM サイト間、もしくは SAN 配列レプリケーションを用いた 2 つのオンプレミス VMM サイト間
- Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- リカバリー サイトで管理している 1 台目のオンプレミス VMM サーバーに Update Rollup 30 をインストールします。
- リカバリー サイトがアップデートされた後、プライマリ サイトが管理している VMM サーバーで Update Rollup 30 をインストールします。
注 VMM が高可用性 VMM (VMM クラスター) である場合、VMM サービスがインストールされているクラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス VMM サイトと Azure 間
- Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- オンプレミス VMM サーバー上で Update Rollup 30 をインストールします。
- すべての Hyper-V ホストで最新の MARS エージェントをインストールします。
注 VMM が高可用性 VMM (VMM クラスター) である場合、VMM サービスがインストールされているクラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス Hyper-V サイトと Azure 間
- Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- Azure Site Recovery に登録されている Hyper-V サーバーの各ノード上のプロバイダーをインストールします。
注 Hyper-V がホスト クラスター Hyper-V サーバーの場合、クラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス VMware/物理サイトと Azure 間
- Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup をダウンロードします。
- オンプレミス管理サーバーの 1 台目にアップデートをインストールします。これは、Configuration サーバーと Process サーバー ロールを含むサーバーにインストールします。
- スケールアウト Process サーバーがある場合、次にそのサーバーをアップデートします。
- Azure Portal にアクセスし、保護されたアイテム/レプリケートされたアイテム ペインに移動します。
- このページの VM を選択します。
- 各 VM のペインの下部に表示されている Update Agent ボタンをクリックします。これは、すべての保護されている VM 上の Mobility Service Agent をアップデートします。
アップデート情報
これらの問題を解決するために、Microsoft Download Center から次の利用可能なファイルをダウンロードします :
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Provider
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Recovery Services (MARS) Agent
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Configuration Server OVF
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Master Target/Mobility Service (Windows) Setup
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Master Target/Mobility Service (Linux-CentOS) Setup
- Download Update Rollup 30 for Microsoft Azure Site Recovery Master Target/Mobility Service (Linux-UBUNTU) Setup
Microsoft サポート ファイルをダウンロードするための詳細な情報は、次の Microsoft サポート技術情報を参照してください :
- How to obtain Microsoft support files from online services
https://support.microsoft.com/en-us/kb/119591
マイクロソフトでは、このファイルのウイルス スキャンを行っています。また、ファイルが公開された日付で入手可能な最新のウイルス検出ソフトウェアを使用しています。加えて、このファイルはセキュリティが強化されたサーバーに格納されており、許可されていないファイルの変更を防止しています。
前提条件
Microsoft Azure Site Recovery Provider Update Rollup 30 (バージョン 5.1.3650.0) にバージョンアップするには、次のそれぞれのバージョンがインストールされている必要があります :
- Microsoft Azure Hyper-V Recovery Manager (version 3.4.486 以降)
- Microsoft Azure Site Recovery Hyper-V Provider (version 4.6.660 以降)
- Microsoft Azure Site Recovery Provider (version 5.1.3400 以降)
Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup Update Rollup 30 (バージョン9.19.5007.1) にバージョンアップするには, 次のバージョンがインストールされている必要があります :
- Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup (VMware to Azure) (version 9.12.xxxx.x 以降)
注 コントロール パネルの [プログラムと機能] からインストールされているバージョンを確認することができます。
再起動の情報
System Center Virtual Machine Manager がインストールされているコンピューター、もしくは Hyper-V サーバー上でこの更新プログラムを適用しても、システムの再起動は必要はありません。
このアップデートでは、更新プロセス中に System Center Virtual Machine Manager サービスを自動的に停止、再起動します。
Configuration Server と保護されたサーバーの場合、この更新プログラムの適用後、再起動が必要になります。
参考
- Disaster Recovery Service – Azure Site Recovery – DRaaS | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/services/site-recovery/ - Pricing – Site Recovery | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/pricing/details/site-recovery/ - Azure Site Recovery Documentation – Tutorials, API Reference | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/site-recovery/ - Azure Site Recovery: Frequently asked questions | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/site-recovery/site-recovery-faq