System Center 2016 – Virtual Machine Manager (SCVMM 2016) に触れる機会が多くなり、Virtual Machine Manager Command Shell を使った設定や、情報取得、および管理することが増えてきたので、備忘録として各コマンドレットの概要を日本語化 (意訳) しました。
ここでは Backup-SCVMMServer コマンドレットのヘルプ情報について、SCVMM2016 UR5 の Virtual Machine Manager Command Shell 上で「Backup-SCVMMServer」コマンドレットの -Full オプションを用いて実行した結果を元に記載しています。
※SCVMM 2016 UR5 で利用可能なコマンドレット一覧については、「System Center 2016 – Virtual Machine Manager で利用できるコマンドレットについて」を参照。
Backup-SCVMMServer コマンドレット
名前
Backup-SCVMMServer
概要
Virtual Machine Manager データベースをバックアップします。
構文
Backup-SCVMMServer [-JobVariable <String>] [-PROTipID <Guid>] -Path <String> [-RunAsynchronously] [-VMMServer <ServerConnection>] [<CommonParameters>] |
説明
Backup-SCVMMServer コマンドレットは、VMM サーバー上の Virtual Machine Manager (VMM) データベースをローカル フォルダー、もしくはリモート ネットワーク共有にバックアップします。データベースをバックアップするフォルダーは、SQL Server からアクセス可能でなければなりません。
SQL Server がローカル サーバーかリモート サーバーかを判別する
VMM データベースがローカルに格納されているのか、Microsoft SQL Server が実行されているリモート サーバーに格納されているのか不明な場合は、次の操作を行います :
- VMM サーバー上でレジストリ エディターを起動します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft System Center Virtual Machine Manager Server\Settings\Sql に移動します。
- OnRemoteServer の値を確認します :
- 値が 0 の場合、データベースはローカル VMM サーバー上にあります。
- 値が 1 の場合、データベースはリモート SQL Server 上にあります。
バックアップされたデータベースの復元
Backup-SCVMMServer コマンドレットを用いて VMM データベースをバックアップした後 (例 1 および 2 を参照)、SCVMMRecover.exe コマンドを使用してデータベースを復元することができます (例 3 を参照)。Windows PowerShell コマンドレットではないこのコマンドは、VMM と共にインストールされます。既定では、<%system-drive%>\Program Files\Microsoft System Center 2016\Virtual Machine Manager\bin がインストールされています。
重要 : VMM 環境で仮想マシン ホスト、もしくはライブラリ サーバーとして機能するサーバーをバックアップおよび復元するには、標準のサーバー バックアップおよび復元手順を使用します。
パラメーター
-JobVariable <String>
ジョブの進行状況を追跡し、このパラメーターで指定した変数に格納する場合に指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-PROTipID <Guid>
このアクションにトリガーされるパフォーマンスとリソースの最適化のヒント (PRO ヒント) を指定します。このパラメーターは、PRO ヒントを監査することができます。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Path <String>
操作に対するターゲット パスを指定します。
- フォーマット例 :
- ローカル パス : -Path “F:\”
- UNC パス : -Path “\\Library\Templates”
- ボリューム GUID パス : -Path “\\?\Volume{4703c1ea-8ae7-11db-b473-00123f7603e3}\”
- VMware ESX パス : -Path “[storage1]\MyVMwareFolderForVMs\MyVM.vmx”
- Citrix XenServer パス : -Path “Local storage[99b6212f-b63d-c676-25f9-d6c460992de7]”
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-RunAsynchronously [<SwitchParameter>]
ジョブが非同期で実行、制御がすぐにコマンド シェルに戻されるかどうかを指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMMServer <ServerConnection>
VMM サーバー オブジェクトを取得します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer, PipelineVariable、および OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
入力
出力
- VMMServer
- このコマンドレットは、VMMServer オブジェクトを返します。
メモ
例
例 1 : VMM データベースをローカル フォルダーにバックアップする
コマンド
Backup-SCVMMServer -VMMServer "VMMServer01.Contoso.com" -Path "D:\VMMBackups"
コマンドの説明
このコマンドは、VMM サーバー “VMMServer01.Contoso.com” 上の VMM データベースを指定されたパス (“D:\VMMBackups”) にバックアップします。
注 :
- Backup-SCVMMServer は、SQL Server を実行しているサーバーにデータベースをバックアップする必要があります。この例では、SQL Server (VMM データベース用) がリモート サーバーではなく VMMServer01 にインストールされていることを前提としています。
- データベースをローカル フォルダーにバックアップする場合、そのフォルダ-は SQL Server サービスに書き込みアクセス可能である必要があります。
例 2 : VMM データベースをネットワーク共有にバックアップする
コマンド
Backup-SCVMMServer -VMMServer "VMMServer01.Contoso.com" -Path "\\SQLServer01\VMMBackups"
コマンドの説明
このコマンドは、VMM サーバー “VMMServer01.Contoso.com” 上の VMM データベースを、サーバー SQLServer01 上の指定された共有 (“\\SQLServer01\VMMBackups”) にバックアップします。
重要 :
- Backup-SCVMMServer は SQL Server を実行しているサーバーにデータベースをバックアップする必要があります。この例では、SQL Server (VMM データベース用) が SQLServer01 にインストールされていることを前提としています。
- データベースをリモート共有にバックアップする場合、共有は SQL Server サービスに書き込みアクセス可能である必要があります。
例 3 : VMM データベースを復元する
コマンド
SCVMMRecover.exe -Path <%backup-folder-path%>\<%backup-file-name%>.bak -Confirm
コマンドの説明
この例では PowerShell コマンドレットではなく、SCVMMRecover.exe の使用方法を示します。PowerShell ウィンドウではなくコマンド プロンプト ウィンドウを開き、VMM と共にインストールされた SCVMMRecover.exe コマンドを用いてこの操作を実行する必要があります。SCVMMRecover.exe は、データベースを復元する VMM サーバー上でローカルに実行する必要があります。SCVMMRecover.exe は、高可用性の VMM インストールでは機能しません。
この例では、VMM データベースを VMM サーバーに復元します。 :
<%backup-folder-path%> は、.bak ファイルが保存されている SQL Server を実行しているサーバー上のパスです。<%backup-file-name%> は、バックアップ操作中に作成された .bak ファイル名です。
この例では、SCVMMRecover.exe が <%system-drive%>\Program Files\Microsoft System Center 2016\Virtual Machine Manager\bin\SCVMMRecover.exe の VMM の既定の場所にインストールされていることを前提としています。
関連するリンク
- Get-SCVMMServer
- Set-SCVMMServer
参考
- System Center 2016 – データセンターの管理 | Microsoft
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center - VirtualMachineManager | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/?view=systemcenter-ps-2016 - Backup-SCVMMServer (VirtualMachineManager) | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/backup-scvmmserver?view=systemcenter-ps-2016