Azure Site Recovery (ASR) の更新プログラムである Update Rollup 42 for Azure Site Recovery (4531426) が公開されました。
- Update Rollup 42 for Azure Site Recovery
https://support.microsoft.com/en-us/help/4531426
Azure Site Recovery には、大きく分けて「Hyper-V ベース (SCVMM 含む)」向け、および「VMware ベース (物理、他仮想化/他クラウド基盤含む)」向けの 2 種類のインストーラーが存在し、これらに加えて、エージェント (Microsoft Azure Recovery Services Agent) が存在します。
Update Rollup 42 for Azure Site Recovery における各インストーラーのバージョンとなります。
- Download Microsoft Azure Site Recovery Provider (version 5.1.5200.0)
- Download Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup (VMware to Azure) (version 9.30.5407.1)
- Download Microsoft Azure Recovery Services Agent (version 2.0.9165.0)
- Download Microsoft Azure Site Recovery Configuration Server OVF template (version 5.1.5200.0)
- Download Mobility Service for Windows (version 9.30.5407.1)
- Download Mobility Service for CentOS (version 9.30.5407.1)
- Download Mobility Service for Ubuntu (version 9.30.5407.1)
Update Rollup 42 for Azure Site Recovery について (意訳)
前提条件
Update Rollup 42 for Microsoft Azure Site Recovery Provider (バージョン 5.1.5200.0) をインストールするには、以下のどちらかがインストールされている必要があります :
- Microsoft Azure Site Recovery Provider (バージョン 5.1.4800 以降)
- Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup (VMware to Azure) (バージョン 9.26.xxxx.x 以降)
- Microsoft Azure Recovery Services Agent (バージョン 2.0.8700.0 以降)
注 : [コントロール パネル] – [プログラムと機能] からインストールされているバージョンを確認することが可能です。
この更新プログラムにより修正される問題
この更新プログラムを適用することで、次の問題を修正および改善点があります。
Mobility Service
改善点
- Azure Site Recovery は、UEFI レイアウトを使用した VMware、Azure マシンのテスト フェールオーバー、フェールオーバー、フェールバックをサポートするようになりました。
- 次のオペレーティング システムを搭載した VMware マシンがサポートされています :
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012R2
- Windows Server 2016
- Windows Server 2019
- SLES12Sp4
- RHEL8
- 第 2 世代のすべての Azure マシンをサポートするようになりました。
- 次のオペレーティング システムを搭載した VMware マシンがサポートされています :
- Linux OS サポートの改善
- RHEL 8
- Oracle Linux 7.7
- Azure to Azure DR
- Azure Disk Encryption (ADE) を持つ Azure Linux マシンを Azure Site Recovery で保護できるようになりました。
- Python 3 for Linux Extension をサポートするようになりました。
- VMware to Azure DR
- ディスクのデータ変更率 (チャーン)、およびデータアップ ロード率ログが、Log Analytics と Recovery Services Vault との統合で利用可能になりました。
修正された問題
- SHA2 コード署名サポートを検証するための前提条件チェックが有効になっています。Windows 2008 R2 SP1、Windows 2008 SP2、および Windows 7 SP1 で実行されている OS では、SHA2 コード署名を有効にするために特定の KB をインストールする必要があります。 SHA2 コード署名が有効になっていない場合、ASR Mobility Agentのアップグレードと新規インストールは成功しません。詳細はこちらを参照してください。
Microsoft Azure Site Recovery (サービス)
改善点
- Norway geo の Azure 仮想マシンを Azure Site Recovery で保護できるようになりました。
- VMware to Azure DR へのフェールバック操作に使用される Azure Process サーバー SKU のデフォルトは、Standard_A8_v2 です。
修正された問題
- Recovery Services Vault、および Process サーバー ブレードからレプリケーション アイテム ブレードをロードするのにかかる時間を最小限に抑えるために、パフォーマンスが強化されました。
- 再同期通知が更新され、再同期が必要なマシンの詳細が提供されるようになりました。
- Azure to Azure DR シナリオでは、レプリケーションの有効化中に選択された自動化アカウントが常にターゲット リージョンにあるとは限りません (すべてのリージョンに自動化アカウントがあるわけではないため)。Automation アカウントをプロビジョニングする必要があるリージョンを通知する geo マッピングがあります。この geo マッピングは、顧客が別のリージョンの Automation アカウントを使用できるように更新されます。
Azure Site Recovery オンプレミス コンポーネントのアップデート
2 つのオンプレミス VMM サイト間
- Update Rollup 42 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- リカバリー サイトで管理している 1 台目のオンプレミス VMM サーバーに Update Rollup 42 をインストールします。
- リカバリー サイトがアップデートされた後、プライマリ サイトが管理している VMM サーバーで Update Rollup 42 をインストールします。
注 VMM が高可用性 VMM (VMM クラスター) である場合、VMM サービスがインストールされているクラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス VMM サイトと Azure 間
- Update Rollup 42 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- オンプレミス VMM サーバー上で Update Rollup 42 をインストールします。
- すべての Hyper-V ホストで最新の MARS エージェントをインストールします。
注 VMM が高可用性 VMM (VMM クラスター) である場合、VMM サービスがインストールされているクラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス Hyper-V サイトと Azure 間
- Update Rollup 42 for Microsoft Azure Site Recovery Provider をダウンロードします。
- Azure Site Recovery に登録されている Hyper-V サーバーの各ノード上のプロバイダーをインストールします。
注 Hyper-V がホスト クラスター Hyper-V サーバーの場合、クラスタのすべてのノードにアップグレードをインストールするようにしてください。
オンプレミス VMware/物理サイトと Azure 間
- Update Rollup 42 for Microsoft Azure Site Recovery Unified Setup をダウンロードします。
- オンプレミス管理サーバーの 1 台目にアップデートをインストールします。これは、Configuration サーバーと Process サーバー ロールを含むサーバーにインストールします。
- スケールアウト Process サーバーがある場合、次にそのサーバーをアップデートします。
- Azure Portal にアクセスし、保護されたアイテム > レプリケートされたアイテム ペインに移動します。
- このページの VM を選択します。
- 各 VM のペインの下部に表示されている Update Agent ボタンをクリックします。これは、すべての保護されている VM 上の Mobility Service Agent をアップデートします。
注 : すべての最新の変更がソース VM に読み込まれていることを確認するために、Mobility Agent をアップグレードするたびに再始動することを推奨します。しかし必須ではありません。最後の再起動中のエージェントのバージョンと現在のバージョンの差が 4 より大きい場合、再起動は必須です。詳細な説明については次の表を参照してください。
最新の再起動中のエージェントのバージョン | バージョンへのアップグレード | 再起動の必須可否について |
---|---|---|
9.25 | 9.27 | 必須ではない |
9.25 | 9.28 | 必須ではない |
9.25 | 9.29 | 必須ではない |
9.25 | 9.30 | 必須です。 最初にバージョン 9.29 にアップグレードしてからバージョン 9.30 にアップグレードする前に再起動します (最後の再起動が実行されたバージョンとターゲット バージョンとの違いが 4 以上のため)。 |
参考
- Disaster Recovery Service – Azure Site Recovery – DRaaS | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/services/site-recovery/ - Pricing – Site Recovery | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/pricing/details/site-recovery/ - Azure Site Recovery Documentation – Tutorials, API Reference | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/site-recovery?WT.mc_id=AZ-MVP-4038156 - Azure Site Recovery updates | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/site-recovery/service-updates-how-to?WT.mc_id=AZ-MVP-4038156 - Azure Site Recovery: Frequently asked questions | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/site-recovery/site-recovery-faq?WT.mc_id=AZ-MVP-4038156