System Center 2016 – Virtual Machine Manager (SCVMM 2016) に触れる機会が多くなり、Virtual Machine Manager Command Shell を使った設定や、情報取得、および管理することが増えてきたので、備忘録として各コマンドレットの概要を日本語化 (意訳) しました。
ここでは Get-SCVMHostRating コマンドレットのヘルプ情報について、SCVMM2016 UR5 の Virtual Machine Manager Command Shell 上で「Get-SCVMHostRating」コマンドレットの -Full オプションを用いて実行した結果を元に記載しています。
※SCVMM 2016 UR5 で利用可能なコマンドレット一覧については、「System Center 2016 – Virtual Machine Manager で利用できるコマンドレットについて」を参照。
Get-SCVMHostRating コマンドレット
名前
Get-SCVMHostRating
概要
特定の仮想マシンを展開する可能性がある VMM で管理されている複数のホストの配置の評価を計算します。
構文
Get-SCVMHostRating [-CPUExpectedUtilizationPercent <UInt16>] [-CPUPriority <UInt16>] -Cloud <Cloud[]> [-DiscoveryID <Guid>] [-DiskIOExpectedCountPerSecond <Int32>] [-DiskPriority <UInt16>] [-HighlyAvailable <Boolean>] [-IsCloudOnlyRating] [-IsMigration] [-JobVariable <String>] [-MemoryPriority <UInt16>] [-NetworkPriority <UInt16>] [-NetworkUtilizationExpectedMbps <Int32>] [-PlacementGoal {LoadBalance | Consolidate}] [-RequireGuardedHost <Boolean>] [-ReturnFirstSuitableHost] [-RunAsynchronously] [-UseDefaultPath] -VM <VM> [-VMMServer <ServerConnection>] [-VMName <String>] [<CommonParameters>] Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating Get-SCVMHostRating |
説明
Get-SCVMHostRating コマンドレットは、特定の仮想マシンを展開する可能性がある Virtual Machine Manager (VMM) で管理されている複数のホストの配置の評価を計算します。
この評価は、コンピューターが特定のハードウェア構成を必要とする仮想マシンのホストとして機能することの適性を示しています。評価は、個々のホスト、ホストのアレイ、または特定のホスト グループ、もしくはホスト グループ セットに属する各ホストごとに計算が可能です。
Get-SCVMHostRating コマンドレットを実行すると、VMM は仮想マシンで必要なハードウェア構成に基づき、指定された各ホストの SCVMHostRating オブジェクトを返します。評価の計算方法を変更するために、追加の配置オプションを指定することも可能です。
Get-SCVMHostRating に複数のホスト オブジェクト、もしくはホストオブジェクトの配列を指定すると、VMM は VMM データベースからホスト オブジェクトに関する情報を収集します。ホストの評価を作成するために、VMM は仮想マシンの実行状態をデータベース情報と比較します。この操作では、仮想マシンとターゲット ホストとの移行互換性は保証されません。
Windows Server 2008 R2 以降、VMware、もしくは Citrix XenServer を Get-VMHostRating に実行している単一のホスト オブジェクトを指定すると、コマンドレットはターゲット ホストに対する仮想マシンの実行状態を直接検証します。直接検証を実行すると、仮想マシンの移行互換性が保証されます。直接検証を実行する場合、コマンドの完了に数秒かかる場合があります。
パラメーター
-CPUExpectedUtilizationPercent <UInt16>
この仮想マシンが使用すると予想されるホスト上の CPU の割合を指定します。この値は、VMM が仮想マシンに適したホストを決定した場合にのみ使用されます。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-CPUPriority <UInt16>
ホスト上の仮想マシンの CPU 使用率の相対的な重要度を指定します。 CPU 使用率を他の要因 (ディスク I/O パフォーマンス、メモリ使用率、ネットワーク使用率など) よりも高くするには、この値を大きい数値に設定します。有効な値 : 0 から 10。 既定値 : 5。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-Cloud <Cloud[]>
プライベート クラウド オブジェクトの配列を指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-DiscoveryID <Guid>
内部のみに使用します (あなたのコードでは使用できません)。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-DiskIOExpectedCountPerSecond <Int32>
この仮想マシンが使用すると予想される 1 秒あたりのディスク入出力操作 (IOPS) 数を指定します。
フォーマット例 : -DiskIO 1500 (1500 IOPS を指定)
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-DiskPriority <UInt16>
ホスト上の仮想マシンのディスク入出力 (I/O) パフォーマンスの相対的な重要度を指定します。ディスク I/O パフォーマンスを他の要因 (CPU 使用率、メモリ使用率、ネットワーク使用率など) よりも高くするには、この値を大きい数値に設定します。有効な値 : 0 から 10。 既定値 : 2。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-DiskSpaceGB <UInt16>
特定の仮想マシンで使用可能なホスト上のハード ディスク容量 ( Gigabyte (GB) 単位)を指定します。
フォーマット例 : -DiskSpaceGB 20 (20 GB のディスク容量を指定する)
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-HardwareProfile <HardwareProfile>
ハードウェア プロファイル オブジェクトを指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-HighlyAvailable <Boolean>
ホスト クラスターの一部である Hyper-V ホストに仮想マシンを配置するかどうかを指定します。この設定は、仮想マシン、もしくは仮想マシンを作成するために使用されるテンプレート、もしくはハードウェア プロファイルで構成します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IsCloudOnlyRating [<SwitchParameter>]
評価がプライベート クラウドにのみ適用される場合に指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-IsMigration [<SwitchParameter>]
送信元ホストと宛先ホストが同じコンピュータであっても、仮想マシンを移動するホストとしてのコンピューターの適合性を示す評価を計算する場合に指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-JobGroup <Guid>
同じジョブ グループ識別子を含む最後のコマンドが実行される直前に、一連のコマンドを実行する一連のコマンドの識別子を指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-JobVariable <String>
ジョブの進行状況を追跡し、このパラメーターで指定された変数に格納する場合に指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-LUNCountRequirement <UInt32>
この仮想マシンを展開するのに適したホストであるコンピューターを評価する際、仮想マシンが必要とする LUN 数を指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-MemoryPriority <UInt16>
ホスト上の仮想マシンによるメモリ使用率の相対的な重要度を指定します。メモリ使用率を他の要因 (CPU 使用率、ディスク I/O パフォーマンス、ネットワーク使用率など) よりも高くするには、この値を大きい数値に設定します。有効な値 : 0 ~ 10。既定値 : 8。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-NetworkPriority <UInt16>
ホスト上の仮想マシンによるネットワーク使用率の相対的な重要度を指定します。ネットワーク使用率を他の要因 (CPU 使用率、ディスク I/O パフォーマンス、メモリ使用率など) よりも高くするには、この値を大きい数値に設定します。有効な値 : 0 ~ 10。既定値 : 2。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-NetworkUtilizationExpectedMbps <Int32>
この仮想マシンが使用すると予想される物理ホストのネットワーク上のトラフィック量 (Megabit/秒、(Mbps)) を指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-OperatingSystem <OperatingSystem>
仮想マシンに対する OS の種類を指定します。VMM 内ですべての利用可能な OS 名の一覧は、Get-SCOperatingSystem を実行してください。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-PlacementGoal <EnginePlacementGoals>
VMM が仮想マシンを展開するのに最適なホストを選択する際に用いられる配置アルゴリズムを指定します。このパラメーターで利用可能な値は、次のとおり : LoadBalance、Consolidate
ホスト間の負荷分散により、VMM はどれかのホストの処理負荷を最小限に抑えることが可能です。統合により、VMM は単一のホスト上に複数の低利用率ワークロードを結合することでリソースを最大化できます。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-ReplicationGroup <ReplicationGroup>
レプリケーション グループを指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-RequireGuardedHost <Boolean>
仮想マシンを保護された (Guarded) ホストとして配置する必要がある場合に指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-ReturnFirstSuitableHost [<SwitchParameter>]
Get-SCVMHostRating、もしくは Update-SCServiceConfiguration と組み合わせて使用すると、インテリジェント配置エンジンが、配置する仮想マシンごとに適切な最初のホストを返し、その仮想マシンの配置処理を停止する場合に指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-RunAsynchronously [<SwitchParameter>]
ジョブが非同期で実行、制御がすぐにコマンド シェルに戻されるかどうかを指定します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-UseDefaultPath [<SwitchParameter>]
ホスト上で既定のパスが設定されているボリュームだけが、仮想マシンの配置の可能な候補として評価される場合に指定します。このパラメーターを省略する、もしくはホストに既定のパスが設定されていない場合は、すべてのボリュームが配置プロセスによって評価されます。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | False |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VM <VM>
仮想マシン オブジェクトを指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMConfiguration <BaseVMConfiguration>
仮想マシン構成オブジェクトを指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMHost <Host[]>
仮想マシン ホスト オブジェクトの配列を指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMHostGroup <HostGroup[]>
仮想マシン ホスト グループ オブジェクト、もしくはホスト グループ オブジェクト配列を指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMMServer <ServerConnection>
VMM サーバー オブジェクトを取得します。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMName <String>
物理ホスト サーバーに配置する仮想マシン名を指定します。同じ名前の別の仮想マシンがそのホストにまだデプロイされていないことを確認するために、このパラメーターを用います。
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VMTemplate <Template>
仮想マシンを作成するために使用される VMM テンプレート オブジェクトを指定します。
必須 | true |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
ワイルドカード文字を許可する | false |
-VirtualizationPlatform <VirtualizationPlatform>
VMM によって管理される仮想マシン ホストの仮想化プラットフォームを指定します。このパラメーターで利用可能な値は、次のとおり :
- HyperV
- VMwareESX
- XENServer
必須 | false |
---|---|
位置 | named |
既定値 | None |
パイプライン入力を許可する | False |
ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer, PipelineVariable、および OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
入力
出力
- VMHostRating
- このコマンドレットは、VMHostRating オブジェクトを返します。
メモ
例
例 1 : 既存の仮想マシンに対して可能なホストとして特定サーバーのホストの評価を計算する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM01" $VMHost = Get-SCVMHost -ComputerName "VMHost02.Contoso.com" $HostRating = Get-SCVMHostRating -VM $VM -VMHost $VMHost $HostRating
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト”VM01″ を取得、そのオブジェクトを $VM 変数を格納します。
2 番目のコマンドは、ホスト オブジェクト “VMHost02.Contoso.com” を取得し、そのオブジェクトを $VMHost 変数に格納します。
3 番目のコマンドは、VM01 のホストとしての適合性を示す VMHost02 の配置評価を返し、評価情報を $HostRating 変数に格納します。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されたホストの評価を表示します。
注 : この例では、Get-SCVMHostRating に単一のホストオブジェクトを提供しているため、ホストが Windows Server 2008 R2 以降、VMware、もしくは XenServer を実行している場合、ターゲット ホストに対して仮想マシンの実行状態を直接検証し、仮想マシンの移行互換性を確保します。
例 2 : 既存の仮想マシンの可能なホストとしてホスト グループ内の各サーバーのホストの評価を計算する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM02" $VMHostGroup = Get-SCVMHostGroup -Name "HostGroup02" $HostRatings = Get-SCVMHostRating -VM $VM -VMHostGroup $VMHostGroup $HostRatings
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM02” を取得し、そのオブジェクトを $VM に格納します。
2 番目のコマンドは、ホスト グループ オブジェクト “HostGroup02” を取得し、そのオブジェクトを $VMHostGroup 変数に格納します。
3 番目のコマンドは、指定されたホスト グループ内のすべてのホストの配置の評価を返し、そのホスト グループ内の各ホストの VM02 のホストとしての適合性を示します。このコマンドは、評価情報を $HostRatings に格納します。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されたホストの評価を表示します。
注 : 上記の例では、複数のホスト オブジェクトを Get-SCVMHostRating に提供しているため、ホストに対して仮想マシンを直接検証してホストの評価を生成することはありません。移行の互換性を確保するには、それぞれのターゲット ホストで個別に Get-SCVMHostRating コマンドレットを実行して、直接検証を実行する必要があります。
例 3 : 新しい仮想マシンの可能なホストとしてホスト グループ内の各サーバーのホストの評価を計算する
コマンド
$VMHostGroup = Get-SCVMHostGroup -Name "HostGroup03" $HWProfile = Get-SCHardwareProfile | where {$_.Name -eq "HWProfile01"} $HostRatings = Get-SCVMHostRating -VMHostGroup $VMHostGroup -HardwareProfile $HWProfile -DiskSpaceGB 20 -VMName "VM03" -CPUPriority 8 -MemoryPriority 5 -DiskPriority 3 -NetworkPriority 1 $HostRatings
コマンドの説明
最初のコマンドは、ホストグループオブジェクト “HostGroup03” を取得し、そのオブジェクトを$ VMHostGroup変数に格納します。
2 番目のコマンドは、ハードウェア プロファイル オブジェクト “HWProfile01” を取得し、そのオブジェクトを $HWProfile 変数に格納します。
3 番目のコマンドは、指定したホスト グループ内の新しい仮想マシンのすべてのホストの配置評価を返し、その配置評価を $HostRatings に格納します。ホストの格付けを決定する前に、次のパラメーターを用いて DiskSpaceGB、CPUPriority、MemoryPriority、DiskPriority、および NetworkPriority を使用して、さまざまな要因の優先度を変更します。追加情報については、個々のパラメーターの説明を参照してください。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されたホストの評価を表示します。
注 : 上記の例では、複数のホスト オブジェクトを Get-SCVMHostRating に提供しているため、ホストに対して仮想マシンを直接検証してホストの評価を生成することはありません。移行の互換性を確保するには、それぞれのターゲット ホストで個別に Get-SCVMHostRating コマンドレットを実行して、直接検証を実行する必要があります。
例 4 : 新しい仮想マシンの可能なホストとして配列内の各ホストのホストの評価を計算する
コマンド
$OS = Get-SCOperatingSystem | where {$_.Name -eq "64-bit edition of Windows Server 2008 R2 Standard"} $JobGroupID = [guid]::NewGuid() New-SCVirtualDiskDrive -SCSI -Fixed -Bus 0 -Lun 2 -Size 10 -JobGroup $JobGroupID -FileName "TestDiskDrive" $VMHosts = Get-SCVMHost $HWProfile = Get-SCHardwareProfile | where { $_.Name -eq "HWProfile01" } $HostRatings = Get-SCVMHostRating -DiskSpaceGB 10 -HardwareProfile $HWProfile -VMHost $VMHosts -VMName "VM04" -OperatingSystem $OS -JobGroup $JobGroupID $HostRatings
コマンドの説明
最初のコマンドは、64 ビット版の Windows Server 2008 R2 Standard エディションを表す OS オブジェクトを取得し、オブジェクトを $OS 変数に格納します。
2 番目のコマンドは GUID を生成し、GUID を $JobGroupID に格納します。ジョブ グループ ID は、後続のコマンドを単一のジョブ グループにグループ化する識別子として機能します。
3 番目のコマンドは、指定されたプロパティを持つ新しい仮想ディスク ドライブを作成しますが、ジョブ グループ ID を使用して、最後のコマンドで Get-SCVMHostRating コマンドレットが実行される直前まで仮想ディスク ドライブが作成されないように指定します。
4 番目と 5 番目のコマンドは、ホスト オブジェクト配列と特定のハードウェア プロファイル オブジェクトを取得して、次のコマンドで Get-VMHostRating コマンドレットに渡します。
6 番目のコマンドは、指定されたホスト一覧内のすべてのホストの配置評価を返し、指定された特性を持つ新しい仮想マシン一覧内の各ホストの適合性を示します。このコマンドは、評価情報を $HostRatings に格納します。
Get-SCVMHostRating コマンドレットがホストの評価を返す前に、コマンドは JobGroup パラメーターを使用して 3 番目のコマンドから New-SCVirtualDiskDrive コマンドを実行し、配置評価を計算するときに Get-SCVMHostRating コマンドレットに仮想ディスク ドライブとその設定が含まれるようにします。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されたホストの評価を表示します。
注 : 上記の例では、Get-SCVMHostRating にホスト オブジェクトの配列を提供しているため、ホストに対して仮想マシンを直接検証してホスト評価を生成することはありません。移行の互換性を確保するには、各ターゲットホストで個別に Get-VMHostRating コマンドレットを実行して、直接検証を実行する必要があります。
例 5 : 既存の仮想マシンの可能なホストとして特定の VMM 管理サーバーのホストの評価を計算する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM05" $VMHost = Get-SCVMHost -ComputerName "VMHost05.Contoso.com" $HostRating = Get-SCVMHostRating -VM $VM -VMHost $VMHost -CPUPriority 6 -DiskPriority 5 -MemoryPriority 4 -NetworkPriority 4 -PlacementGoal "Consolidate" $HostRating
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM05” を取得し、そのオブジェクトを $VM 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、ホスト オブジェクト “VMHost05.Contoso.com” を取得し、そのオブジェクトを $VMHost 変数に格納します。
3 番目のコマンドは、VMHost05 の配置評価を返します。VMHost05は、カスタマイズされた優先順位の特定のセットに基づいて、配置の目標としての統合に基づいて(デフォルトの負荷分散とは対照的に)、VM05 のホストとしての適合性を示します。このコマンドは、評価情報を $HostRating に格納します。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されたホストの評価を表示します。
注 : この例では、Get-VMHostRatingに単一のホスト オブジェクトを提供しているため、ホストが Windows Server 2008 R2 以降、VMware、もしくは XenServer を実行している場合、ターゲット ホストに対して仮想マシンの実行状態を直接検証し、仮想マシンの移行互換性を確保します。
例 6 : 特定の仮想マシン テンプレートに基づき新しい仮想マシンのホストの評価を計算する
コマンド
$VMTemplate = Get-SCVMTemplate | where {$_.Name -eq "VMTemplate01"} $VMHost = Get-SCVMHost -ComputerName "VMHost01.Contoso.com" $HostRating = Get-SCVMHostRating -DiskSpaceGB 5 -VMTemplate $VMTemplate -VMHost $VMHost -VMName "VM06" $HostRating
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン テンプレート オブジェクト “VMTemplate01” を取得し、そのオブジェクトを $VMTemplate 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、、ホスト オブジェクト “VMHost01.Contoso.com” を取得し、そのオブジェクトを $VMHost 変数に格納します。
3 番目のコマンドは、新しい仮想マシンが VMTemplate01 を使用して作成され、VMHost01 ホストに配置される場合は、新しい仮想マシンの配置評価を返します。このコマンドは、評価を $HostRating に格納します。
最後のコマンドは、$HostRating に格納されている評価を表示します。
注 : テンプレートに指定されたディスク容量の仮想ハード ディスクが既に存在する場合でも、DiskSpaceGB パラメータは必要です。DiskSpaceGB パラメーターを必要とすると、仮想マシンで使用できるホスト上で使用できる最小限のハードディスク容量が確保されます。テンプレート内の仮想ハード ディスクに指定された領域の量が、DiskSpaceGB パラメーターを使用して指定されたサイズより大きい場合は、ホストの評価を計算する際に、2 つのサイズのうち大きい方が考慮されます。
注 : この例では、Get-VMHostRatingに単一のホスト オブジェクトを提供しているため、ホストが Windows Server 2008 R2 以降、VMware、もしくは XenServer を実行している場合、ターゲット ホストに対して仮想マシンの実行状態を直接検証し、仮想マシンの移行互換性を確保します。
例 7 : すべての仮想マシンに対して利用可能なホストとして特定のホストに対するホストの評価を計算する
コマンド
$VMHost = Get-SCVMHost -ComputerName "VMHost02.Contoso.com" $VMs = Get-SCVirtualMachine $RatingArray = @( ForEach ($VM in $VMs) {Get-VMHostRating -VM $VM -VMHost $VMHost} ) $RatingArray
コマンドの説明
最初のコマンドは、ホスト オブジェクト “VMHost02.Contoso.com” を取得、このホスト オブジェクトを $VMHost 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、環境内のすべての仮想マシン オブジェクトを取得し、これらのオブジェクトを $VM オブジェクト配列に保存します。使用している環境に非常に多数の仮想マシンがある場合は、フィルタを使用して仮想マシン サブセットを選択することができます。
3 番目のコマンドは、$VM 内の各仮想マシン オブジェクトのホストとしての適合性を示す VMHost02 の配置評価を返し、評価情報を $RatingArray に格納します。 Windows PowerShell ForEach ループ ステートメントの詳細については、Get-Help about_ForEach を実行してください。
最後のコマンドは、$RatingArray に格納されている評価を表示します。
注 : この例では、ホスト上の各仮想マシンの評価を個別に計算します。ホスト上に複数の仮想マシンを配置する場合は、集約されたリソース要求を使用して一時的なハードウェア プロファイルを作成し、Get-SCVMHostRating に渡します。
注 : この例では、Get-VMHostRatingに単一のホスト オブジェクトを提供しているため、ホストが Windows Server 2008 R2 以降、VMware、もしくは XenServer を実行している場合、ターゲット ホストに対して仮想マシンの実行状態を直接検証し、仮想マシンの移行互換性を確保します。
関連するリンク
- Get-SCHardwareProfile
- Get-SCVirtualMachine
- Get-SCVMHost
- Get-SCVMTemplate
- Get-SCVMHostGroup
- New-SCVirtualDiskDrive
参考
- System Center 2016 – データセンターの管理 | Microsoft
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center - VirtualMachineManager | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/?view=systemcenter-ps-2016 - Get-SCVMHostRating (VirtualMachineManager) | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/get-scvmhostrating?view=systemcenter-ps-2016