SCVMM 2016 UR5 で利用可能なコマンドレット (Start-SCUpdateRemediation) について

System Center 2016 – Virtual Machine Manager (SCVMM 2016) に触れる機会が多くなり、Virtual Machine Manager Command Shell を使った設定や、情報取得、および管理することが増えてきたので、備忘録として各コマンドレットの概要を日本語化 (意訳) しました。

ここでは Start-SCUpdateRemediation コマンドレットのヘルプ情報について、SCVMM2016 UR5 の Virtual Machine Manager Command Shell 上で「Start-SCUpdateRemediation」コマンドレットの -Full オプションを用いて実行した結果を元に記載しています。
※SCVMM 2016 UR5 で利用可能なコマンドレット一覧については、「System Center 2016 – Virtual Machine Manager で利用できるコマンドレットについて」を参照。

Start-SCUpdateRemediation コマンドレット

名前

Start-SCUpdateRemediation

概要

割り当て済みのベースラインから必要とされる複数のアップデートを管理されたサーバーにインストールするアクションを開始します。

構文

Start-SCUpdateRemediation  [-Baseline <Baseline>]  [-BypassMaintenanceModeCheck]  [-JobVariable <String>]  [-PROTipID <Guid>]  -RemediateAllClusterNodes  [-RunAsynchronously]  [-SuspendReboot]  [-Updates <System.Collections.Generic.List`1[Microsoft.SystemCenter.VirtualMachineManager.SoftwareUpdate]>]  [-UseLiveMigration]  -VMHostCluster <HostCluster>  [-VMMServer <ServerConnection>]  [<CommonParameters>] Start-SCUpdateRemediation  [-Baseline <Baseline>]  -JobGroup <Guid>  [-JobVariable <String>]  [-PROTipID <Guid>]  [-RunAsynchronously]  [-SuspendReboot]  [-Updates <System.Collections.Generic.List`1[Microsoft.SystemCenter.VirtualMachineManager.SoftwareUpdate]>]  -VMHost <Host>  -VMHostCluster <HostCluster>  [-VMMServer <ServerConnection>]  [<CommonParameters>] Start-SCUpdateRemediation  [-Baseline <Baseline>]  [-EnableMaintenanceMode]  [-JobGroup <Guid>]  [-JobVariable <String>]  [-PROTipID <Guid>]  [-RunAsynchronously]  [-StartNow]  [-SuspendReboot]  [-Updates <System.Collections.Generic.List`1[Microsoft.SystemCenter.VirtualMachineManager.SoftwareUpdate]>]  -VMMManagedComputer <VMMManagedComputer>  [-VMMServer <ServerConnection>]  [<CommonParameters>] Start-SCUpdateRemediation  [-BypassMaintenanceModeCheck]  -JobGroup <Guid>  [-JobVariable <String>]  [-PROTipID <Guid>]  [-RunAsynchronously]  -StartNow  [-UseLiveMigration]  -VMHostCluster <HostCluster>  [-VMMServer <ServerConnection>]  [<CommonParameters>]

説明

Start-SCUpdateRemediation コマンドレットは、割り当て済みのベースラインから必要とされる、非対応の更新プログラムを管理対象サーバーにインストールするアクションを開始します。

パラメーター

-Baseline <Baseline>

Virtual Machine Manager (VMM) ベースライン オブジェクトを指定します。

必須	false
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-BypassMaintenanceModeCheck [<SwitchParameter>]

クラスター ノードがすでにメンテナンス モードになっていても、ノードごとにクラスターのパッチ適用が続行される場合に指定します。既定では、クラスタ ノードのどれかが既にメンテナンス モードになっている場合、クラスターの修復は失敗します。

必須	false
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-EnableMaintenanceMode [<SwitchParameter>]

ホストとしても機能するスタンドアロンの VMM 管理サーバーのメンテナンス モードを有効にします。既定では、スタンドアロン ホストを修復する場合、VMM はメンテナンス モードにしません。

必須	false
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-JobGroup <Guid>

同じジョブ グループ識別子を含む最後のコマンドが実行される直前にグループとして実行される一連のコマンドの識別子を指定します。

必須	true
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-JobVariable <String>

ジョブの進行状況を追跡し、このパラメーターで指定された変数に格納する場合に指定します。

必須	false
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-PROTipID <Guid>

このアクションにトリガーされるパフォーマンスとリソースの最適化のヒント (PRO ヒント) を指定します。このパラメーターは、PRO ヒントを監査することができます。

必須	false
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-RemediateAllClusterNodes [<SwitchParameter>]

更新プログラムによる修復がクラスターのすべてのノードで実行される場合に指定します。

必須	true
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-RunAsynchronously [<SwitchParameter>]

ジョブが非同期で実行、制御がすぐにコマンド シェルに戻されるかどうかを指定します。

必須	false
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-StartNow [<SwitchParameter>]

ジョブ グループの最後のコマンドを識別し、ジョブ グループ内でコマンドの実行を開始します。このパラメーターは、JobGroup パラメーターとともに使用する必要があります。

必須	true
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-SuspendReboot [<SwitchParameter>]

ソフトウェアの更新によって再起動が必要な場合、更新中のコンピューターを再起動させない場合に指定します。

必須	false
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-Updates <System.Collections.Generic.List`1[Microsoft.SystemCenter.VirtualMachineManager.SoftwareUpdate]>

複数の更新プログラムを指定します。

必須	false
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-UseLiveMigration [<SwitchParameter>]

クラスターの修復中にライブ マイグレーションを使用する場合に指定します。

必須	false
位置	named
既定値	False
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-VMHost <Host>

仮想マシン ホスト オブジェクトを指定します。VMM は、Hyper-V ホスト、VMware ESX ホスト、および Citrix XenServer ホストをサポートします。

各ホストの種類に関する情報について、Add-SCVMHost コマンドレットを参照してください。

必須	true
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	False
ワイルドカード文字を許可する	false

-VMHostCluster <HostCluster>

VMM ホスト クラスター オブジェクトを指定します。

必須	true
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-VMMManagedComputer <VMMManagedComputer>

VMM によって管理されているコンピューター オブジェクトを指定します。

必須	true
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

-VMMServer <ServerConnection>

VMM サーバー オブジェクトを取得します。

必須	false
位置	named
既定値	None
パイプライン入力を許可する	True (ByValue)
ワイルドカード文字を許可する	false

<CommonParameters>

このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer, PipelineVariable、および OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。

入力

出力

• ComplianceStatus
  • このコマンドレットは、ComplianceStatus メンバーを返します。

メモ

例

例 1 : ホストを特定のベースラインをもつコンプライアンスに準拠させる

コマンド

$VMHost = Get-SCVMHost -ComputerName "VMHost01"
$Compliance = Get-SCComplianceStatus -VMMManagedComputer $VMHost.ManagedComputer
$Baseline = Get-SCBaseline -Name "Security Baseline"
$Compliance = Start-SCComplianceScan -VMMManagedComputer $VMHost.ManagedComputer -Baseline $Baseline
Start-SCUpdateRemediation -VMMManagedComputer $VMHost.ManagedComputer -Baseline $Baseline

コマンドの説明

最初のコマンドは、ホスト オブジェクト “VMHost01.Contoso.com” を取得し、そのオブジェクトを $VMHost 変数に格納します。

2 番目のコマンドはホスト VMHost01 のコンプライアンス ステータスを取得し、そのステータス オブジェクトを $Compliance 変数に格納します。

3 番目のコマンドは、ベースライン オブジェクト “Security Baseline” を取得し、そのオブジェクトを $Baseline 変数に格納します。

4 番目のコマンドは、Security Baseline ベースラインに対して VMHost01 のコンプライアンス スキャンを開始し、その結果を $Compliance 変数に格納します。

最後のコマンドは、VMHost01 の修復を開始して、Security Baseline のベースラインを持つコンプライアンスに準拠させます。

関連するリンク

• Get-SCBaseline
• Get-SCComplianceStatus
• Get-SCVMHost
• Start-SCComplianceScan

参考

• System Center 2016 – データセンターの管理 | Microsoft
  https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center
• VirtualMachineManager | Microsoft Docs
  https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/?view=systemcenter-ps-2016
• Start-SCUpdateRemediation (VirtualMachineManager) | Microsoft Docs
  https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/start-scupdateremediation?view=systemcenter-ps-2016