System Center 2016 – Virtual Machine Manager (SCVMM 2016) に触れる機会が多くなり、Virtual Machine Manager Command Shell を使った設定や、情報取得、および管理することが増えてきたので、備忘録として各コマンドレットの概要を日本語化 (意訳) しました。
ここでは Remove-SCVirtualNetworkAdapter コマンドレットのヘルプ情報について、SCVMM2016 UR5 の Virtual Machine Manager Command Shell 上で「Remove-SCVirtualNetworkAdapter」コマンドレットの -Full オプションを用いて実行した結果を元に記載しています。
※SCVMM 2016 UR5 で利用可能なコマンドレット一覧については、「System Center 2016 – Virtual Machine Manager で利用できるコマンドレットについて」を参照。
Remove-SCVirtualNetworkAdapter コマンドレット
名前
Remove-SCVirtualNetworkAdapter
概要
VMM から仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを削除します。
構文
| Remove-SCVirtualNetworkAdapter [-VirtualNetworkAdapter] <VirtualNetworkAdapter> [-Confirm] [-JobGroup <Guid>] [-JobVariable <String>] [-OnBehalfOfUser <String>] [-OnBehalfOfUserRole <UserRole>] [-PROTipID <Guid>] [-RunAsynchronously] [-WhatIf] [<CommonParameters>] Remove-SCVirtualNetworkAdapter |
説明
Remove-SCVirtualNetworkAdapter コマンドレットは、Virtual Machine Manager (VMM) 環境で使用される仮想マシン、仮想マシン テンプレート、もしくはハードウェア プロファイルから複数の仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを削除します。
このコマンドレットは、成功すると (MarkedForDeletion を $True に設定して) オブジェクトを返します。失敗するとエラー メッセージを返します。
パラメーター
-Confirm [<SwitchParameter>]
コマンドレットの実行前に確認のプロンプトを表示します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | False |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-JobGroup <Guid>
同じジョブ グループ識別子を含む最後のコマンドが実行される直前に、一連のコマンドを実行する一連のコマンドの識別子を指定します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-JobVariable <String>
ジョブの進行状況を追跡し、このパラメーターで指定された変数に格納する場合に指定します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-OnBehalfOfUser <String>
ユーザー名を指定します。このコマンドレットは、このパラメーターが指定するユーザーの代わりに操作します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-OnBehalfOfUserRole <UserRole>
ユーザー ロールを指定します。ユーザー ロールを取得するには、Get-SCUserRole コマンドレットを用います。このコマンドレットは、このパラメーターで指定するユーザー ロールの代わりに操作します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-PROTipID <Guid>
このアクションにトリガーされるパフォーマンスとリソースの最適化のヒント (PRO ヒント) を指定します。このパラメーターは、PRO ヒントを監査することができます。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-RunAsynchronously [<SwitchParameter>]
ジョブが非同期で実行、制御がすぐにコマンド シェルに戻されるかどうかを指定します。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | False |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-SlotID <Int32>
デバイスを識別するための数値 ID を指定します。
| 必須 | true |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-VirtualNetworkAdapter <VirtualNetworkAdapter>
仮想マシンに対する仮想ネットワーク アダプターを指定します。
ホストの種類は、次の仮想ネットワーク アダプターをサポートします :
- Hyper-V : 仮想マシンごとに最大 4 つのエミュレートされたアダプター。Windows Server 2003 x64 ゲスト OS では、エミュレートされたネットワーク アダプター用のドライバーはありません。
- Hyper-V : 仮想マシンあたり最大 8 つの統合アダプター
- VMware ESX : 仮想マシンごとに最大 4 つのエミュレートされたアダプター
- Citrix XenServer : 仮想マシンごとに最大 7 つのエミュレートされたアダプター
| 必須 | true |
|---|---|
| 位置 | 0 |
| 既定値 | None |
| パイプライン入力を許可する | True (ByValue) |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-WhatIf [<SwitchParameter>]
コマンドレットを実行する場合の挙動について表示します。コマンドレットは、実際には実行されません。
| 必須 | false |
|---|---|
| 位置 | named |
| 既定値 | False |
| パイプライン入力を許可する | False |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer, PipelineVariable、および OutVariable。詳細については、about_CommonParameters を参照してください。
入力
出力
メモ
Get-SCVirtualNetworkAdapter コマンドレットを用いて取得可能な VMM 仮想ネットワーク アダプター オブジェクトが必要となります。
例
例 1 : 仮想マシンから指定された MAC アドレスを持つ仮想ネットワーク アダプターを削除する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM01"
$Adapter = Get-SCVirtualNetworkAdapter -VM $VM | where { $_.PhysicalAddress -eq "00:16:D3:CC:00:1B" }
Remove-SCVirtualNetworkAdapter -VirtualNetworkAdapter $Adapter
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト”VM01″ を取得、そのオブジェクトを $VM 変数を格納します。
2 番目のコマンドは、指定された MAC アドレス “00:16:D3:CC:00:1B” を持つ VM01 上の仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを取得し、そのオブジェクトを $Adapter 変数に格納します。
最後のコマンドは、$Adapter に格納されている仮想ネットワーク アダプターを VM01 から削除します。
例 2 : 仮想マシンから特定の仮想ネットワークに接続されている仮想ネットワーク アダプターを削除する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM02"
$Adapter = Get-SCVirtualNetworkAdapter -VM $VM | where { $_.VirtualNetwork -eq "ExternalVirtualNetwork01" }
Remove-SCVirtualNetworkAdapter -VirtualNetworkAdapter $Adapter
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM02” を取得し、そのオブジェクトを $VM 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、指定された仮想ネットワークに接続されている VM02 上の仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを取得し、そのオブジェクトを $Adapter 変数に格納します。
最後のコマンドは、$Adapter に格納されている仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを VM02 から削除します。
例 3 : 仮想マシンから唯一の仮想ネットワーク アダプターを削除する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM03" $Adapter = Get-SCVirtualNetworkAdapter -VM $VM Remove-SCVirtualNetworkAdapter -VirtualNetworkAdapter $Adapter
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM03” を取得し、そのオブジェクトを $VM 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、VM03 上の仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを取得し、そのオブジェクトを $Adapter 変数に格納します。
この例では、VM03 に仮想ネットワーク アダプターが 1 つしかないと想定しています。
最後のコマンドは、$Adapter に格納されている仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを VM03 から削除します。
例 4 : 仮想マシンからすべてのネットワーク アダプターを削除する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM04" $Adapters = Get-SCVirtualNetworkAdapter -VM $VM $Adapters | Remove-SCVirtualNetworkAdapter
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM04” を取得し、そのオブジェクトを $VM 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、VM04 上のすべての仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを取得し、そのオブジェクトを $Adapters オブジェクト配列に格納します。
最後のコマンドは、$Adapters に格納されている各オブジェクトを Remove-SCVirtualNetworkAdapter に渡します。Remove-SCVirtualNetworkAdapter は、各仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを VM04 から削除します。
例 5 : 3 つの仮想ネットワーク アダプターを持つ仮想マシンから 2 番目の仮想ネットワーク アダプターを削除する
コマンド
$VM = Get-SCVirtualMachine -Name "VM05" $Adapters = Get-SCVirtualNetworkAdapter -VM $VM $Adapters[1] | Remove-SCVirtualNetworkAdapter
コマンドの説明
最初のコマンドは、仮想マシン オブジェクト “VM05” を取得し、そのオブジェクトを $VM 変数に格納します。
2 番目のコマンドは、VM05 上のすべての仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを取得し、そのオブジェクトを $Adapters オブジェクト配列に格納します。この例では、VM05 に 3 つの仮想ネットワーク アダプターがあることを前提としています。
最後のコマンドは、2 番目の仮想ネットワーク アダプター オブジェクト ($Adapters [1]) を Remove-SCVirtualNetworkAdapter コマンドレットに渡します。このコマンドレットは VM05 からこの仮想ネットワーク アダプター オブジェクトを削除します。
関連するリンク
- Get-SCVirtualMachine
- Get-SCVirtualNetworkAdapter
- New-SCVirtualNetworkAdapter
- Repair-SCVirtualNetworkAdapter
- Set-SCVirtualNetworkAdapter
参考
- System Center 2016 – データセンターの管理 | Microsoft
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center - VirtualMachineManager | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/?view=systemcenter-ps-2016 - Remove-SCVirtualNetworkAdapter (VirtualMachineManager) | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/virtualmachinemanager/remove-scvirtualnetworkadapter?view=systemcenter-ps-2016