今回は Azure NAT Gateway に割り当て可能なパブリック IP アドレスに加えて、接続可能なサブネットについて纏めてみました。
過去の割り当て可能なパブリック IP アドレス シリーズはこちら。
割り当て可能なパブリック IP アドレス
検証した結果、「Standard SKU、IPv4、NAT Gateway と同一リージョン、同一サブスクリプション」で作成されたパブリック IP アドレスが割り当て可能である事を確認しています。
※リソース グループは、NAT Gateway とは別でも問題なし。
以下、検証結果をまとめたものとなります。
※可用性冗長性については、NAT Gateway/パブリック IP アドレス「ゾーンなし」としています。
パブリック IP アドレスの SKU |
IP アドレスの 割り当て |
IP バージョン | リージョン | 割り当て 可否 |
---|---|---|---|---|
Basic | 動的 | IPv4 | 同一リージョン | NG |
Basic | 静的 | IPv4 | 同一リージョン | NG |
Basic | 動的 | IPv6 | 同一リージョン | NG |
Standard | 静的 | IPv4 | 同一リージョン | OK |
Standard | 静的 | IPv4 | 別リージョン | NG |
Standard | 静的 | IPv6 | 同一リージョン | NG |
またパブリック IP アドレスのサービス レベルが「地域 (Regional)」におけるゾーン冗長については以下の結果となり、サービス レベルが「グローバル (global)」の場合は割り当てることができません。
以下、可用性ゾーンに関する検証結果をまとめたものとなります。
NAT Gateway の 可用性ゾーン設定 |
パブリック IP アドレスの | 割り当て 可否 |
|
---|---|---|---|
サービス レベル | 可用性ゾーン | ||
なし | 地域 (regional) | ゾーン無し | OK |
ゾーン冗長 | OK | ||
ゾーン 2 | OK | ||
ゾーン 1 | OK | ||
ゾーン 3 | OK | ||
ゾーン 2 | ゾーン無し | NG | |
ゾーン冗長 | NG | ||
ゾーン 2 | OK | ||
ゾーン 1 | NG | ||
ゾーン 3 | NG | ||
ゾーン 1 | ゾーン無し | NG | |
ゾーン冗長 | NG | ||
ゾーン 2 | NG | ||
ゾーン 1 | OK | ||
ゾーン 3 | NG | ||
ゾーン 3 | ゾーン無し | NG | |
ゾーン冗長 | NG | ||
ゾーン 2 | NG | ||
ゾーン 1 | NG | ||
ゾーン 3 | OK | ||
– | グローバル (global) | – | NG |
NAT Gateway が「ゾーン無し」の場合、パブリック IPアドレスはどの可用性ゾーン冗長性のでも動作するのが謎だった (可用性ゾーンの設定は合わせたほうが吉
接続可能なサブネット
Azure NAT Server に接続可能なサブネットは、Azure ポータル設定時には表示されますが、以下のとおりとなります。
- Basic SKU を持つロード バランサー
- Basic SKU を持つパブリック IP アドレス
- IPv6 アドレス空間
- 既存の NAT ゲートウェイに即属されているサブネット
複数のサブネットを接続することも可能ですが、指定することができる VNet は 1 つだけのため、注意が必要です。
また、VNet 内にサブネットが複数存在する場合、他の NAT Gateway に接続されている佐生ネットを選択することはできませんが、接続されていないサブネットに対して接続することは可能です。
まとめ
纏めるとこんな感じ。
- 割り当て可能なパブリック IP アドレスは、「Standard SKU、IPv4、NAT Gateway と同一リージョン、同一サブスクリプション」である必要がある。
- NAT Gateway の可用性ゾーン設定とパブリック IP アドレスの可用性ゾーン設定はわせたほうが吉
- 「1 つの VNet 内に存在する複数のサブネット」 に対して接続することが可能。
- 以下の構成されていないサブネットである事が前提
- Basic SKU を持つロード バランサー
- Basic SKU を持つパブリック IP アドレス
- IPv6 アドレス空間
- 既存の NAT ゲートウェイに即属されているサブネット
- 以下の構成されていないサブネットである事が前提