Windows Server 2008 R2では、Active Directory (AD) やフェールオーバー クラスタリング (WSFC)、グループ ポリシーといった役割および機能がインストールされたサーバーの管理、もしくは管理したい役割および機能についてリモート サーバー管理ツールをインストールしたサーバー上で、PowerShellコマンドレットを用いて管理することが可能です。
各役割および機能に関するPowerShellコマンドレットのヘルプについて、オンライン上で公開されていますが、主に英語のみで日本語の情報はあまり公開されていないようです。
ここでは、WSFCに関するPowerShellコマンドレットの情報について、日本語としてオンライン上で備忘録として確認したいと思い、本ブログ上で纏めてみることにしました (内容については「Get-Help」コマンドレットの-Fullオプションを用いて実行した結果を編集したものとなります)。
この記事では、「Start-ClusterNode」コマンドレットについて記載します (他のコマンドレットについては、「Windows Server 2008 R2のWSFCで使用できるPowerShellコマンドレットについて」を参照)。
■名前
Start-ClusterNode
■概要
フェールオーバー クラスター内のノード上のクラスター サービスを開始します。
■構文
| Start-ClusterNode [-InputObject <psobject>] [[-Name] <StringCollection>] [-Cluster <string>] [-FixQuorum] [-Wait <int>] [<CommonParameters>] |
■説明
開始する最初のノードに該当する場合、対象のノードは他のノードの参加が完了するまで待機します。クォーラムが形成された時点で、クラスターの実行が開始されます。
このコマンドレットを -FixQuorumオプションと共に使用して、クォーラムを強制できます。具体的には、クォーラムが形成されていない場合でも、クラスター ノードの開始を強制します。対象のノードに対してクォーラムを強制すると、そのノード上のクラスター構成のコピーは正式なコピーとして扱われ、他のすべてのノードに複製されます。したがって、クラスター構成の変更内容の一部が失われる可能性があるので、クォーラムの強制は最後の手段として使用してください。クォーラムの強制機能が特に便利な場合としては、マルチサイト クラスターでプライマリ サイト (多数のノードを含む) が使用できなくなり、セカンダリ サイト (少数のノードを含む) をサービス状態に移行する必要がある場合が挙げられます。同様に、使用可能なクラスター ノードにクラスター構成の現在のコピーが含まれていない場合、クォーラムの強制機能により、[ノードおよびファイル共有マジョリティ] クォーラム オプションを使用するクラスターを開始できます。
■パラメーター
-Cluster <string>
このコマンドレットを実行するクラスターの名前を指定します。「-Cluster .」と入力するか、パラメーターを省略した場合、コマンドレットはローカル クラスターで実行されます。
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-FixQuorum [<SwitchParameter>]
このノードに対してクォーラムを強制すると、そのノード上のクラスター構成のコピーが正式なコピーとして扱われ、他のすべてのノードに複製されます。クォーラムの強制は、最後の手段として使用してください。[Alias: fq]
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-InputObject <psobject>
開始するクラスター ノードを指定します。
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | |
| パイプライン入力を許可する | true (ByValue) |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-Name <StringCollection>
開始するクラスター ノードの名前を指定します。
| 必須 | false |
| 位置 | 1 |
| 既定値 | |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
-Wait <int>
操作の待機時間を秒単位で指定します。このパラメーターが指定されていない場合は、操作が完了するまで待機します。”-Wait 0″を指定した場合、呼び出しが開始され、すぐにコマンドレットに戻ります。
| 必須 | false |
| 位置 | named |
| 既定値 | |
| パイプライン入力を許可する | false |
| ワイルドカード文字を許可する | false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer、およびOutVariable。詳細については、「get-help about_commonparameters」と入力してヘルプを参照してください。
■入力
Microsoft.FailoverClusters.PowerShell.ClusterNode
■出力
Microsoft.FailoverClusters.PowerShell.ClusterNode
■メモ
■例
例1
Start-ClusterNode node3
例1:出力結果
| Name State —- —– node3 Joining |
例1:説明
このコマンドは、ローカル クラスターのnode3上のクラスター サービスを開始します。
例2
Start-ClusterNode node1 -Cluster cluster2
例2:出力結果
| Name State —- —– node1 Joining |
例2:説明
このコマンドは、cluster2のnode1上のクラスター サービスを開始します。
例3
Start-ClusterNode -FixQuorum
例3:出力結果
| Name State —- —– node1 Joining |
例3:説明
このコマンドは、クォーラムが形成されていない場合でも、ローカル ノードおよびローカル クラスターを強制的に開始します。クォーラムが形成されていない場合、ローカル ノード上のクラスター構成のコピーは正式なコピーとして扱われ、他のすべてのノードに複製されます。クラスター構成の変更内容の一部が失われる可能性があるので、このコマンドは最後の手段として使用してください。
■関連するリンク
- Add-ClusterNode
- Get-ClusterNode
- Remove-ClusterNode
- Resume-ClusterNode
- Stop-ClusterNode
- Suspend-ClusterNode
[参考]
- Start-ClusterNode
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee460985.aspx - Cmdlet Reference for Windows Server 2008 R2
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee407531.aspx - Failover Cluster Cmdlets in Windows PowerShell
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee461009.aspx - Getting Started with Windows PowerShell on a Failover Cluster
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee619762.aspx
コメント
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