2016/11/29 (現地時間) に、System Center 2016 – Data Protection Manager (DPM 2016) の Modern Backup Storage に対応した Capacity Planner が公開した旨のアナウンスがありました。
- SC 2016 DPM Capacity Planner | System Center Data Protection Manager
https://blogs.technet.microsoft.com/dpm/2016/11/29/sc-2016-dpm-capacity-planner/
SC 2016 DPM Capacity Planner は、Microsoft Excel マクロ有効ワークシート (.xlsm) 形式で提供され、Microsoft Download Center からダウンロード、入手することが可能になっています。
- Download SC 2016 DPM Capacity Planner from Official Microsoft Download Center
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=54301
使用方法については、Channle 9 にて動画として公開されています (英語)。
DPM 2016 を経由した Azure Backup へのクラウド バックアップにも対応しているので、DPM 2016 を用いてバックアップを行う際、頻度および保持期間でバックアップに必要な記憶域容量がどの程度必要かのサイジングを用意に行うことができるのはうれしい限りです。
補足 : SC 2016 DPM Capacity Planner (SCDPM2016MBS_CapacityPlanner.xlsm) について
License タブ
SC 2016 DPM Capacity Planner のライセンス、および使用許諾について記載されています。
Read Me タブ
SC 2016 DPM Capacity Planner を使用するに当たっての手順、および制限事項が記載されています。
DPM サーバー用のプロビジョニング記憶域
- Step 1 : 情報収集 (バックアップの容量、種類、対象数、変更率)
- Step 2 : 必要となる DPM サーバー数の計算
- DPM サーバー 1 台あたりの保護可能な SQL DB の制限
- SQL DB 数 : 2000
- 合計容量 : 80 TB
- DPM サーバー 1 台あたりの保護可能な VM の制限
- VM 数 : 800
- 合計容量 : 80 TB
- DPM サーバー 1 台あたりの保護可能なクライアントの制限
- クライアント数 : 3000
- 合計容量 : 80 TB
- DPM サーバー 1 台あたりの保護可能な SQL DB の制限
- Step 3 : バックアップ ポリシーの決定
- 保護データが時間経過とともに増加する場合は、ワークロードで予想される容量の最大値を設定する。
- 保護データの変更率は平均となる値を設定、変更率が変動する場合は設定した値を変更する。
- ワークロードを削除する場合は、「Total Size of workload」の値を 0 に設定する。
Windows Server 2016 上の SC DPM 2016 には、Modern Backup Storage が付属しています。これは、バックアップ格納のための ReFS Block Cloning として Windows Server 2016 テクノロジが使用されます。これにより、膨大なストレージとパフォーマンスが節約されます。加えて、DPM は増分バックアップを使用してデータを格納します。これは、初回バックアップ時にフル コピーとしてデータを転送することを意味します。その後、変更されたビットだけを転送します。したがって、データのサイズは、初期サイズ、変更されたビットのサイズ(変更率と合計サイズに依存)、1 日あたりの回復ポイント数、および複製の保持期間によって決定されます。
したがって、1 日に多数の複製が格納されている、かつ長期間保持される場合、小さな変更率を持つ小さなデータでも多くの容量を必要とします。
ディスクへの回復ポイント (1 日あたり) は最大 48 となります。保持期間全体の回復ポイントは、アプリケーションでは 最大 512、ファイルおよびフォルダーでは 最大 64 となります。
Azure Backup の場合、1 日あたりの回復ポイントは 最大 2 です。したがって、週、月、年、それぞれの回復ポイントの最大は 14、62、732 となります。
Deployment Info タブ
バックアップ対象のワークロードを入力します。右上の [Add Workload] ボタンをクリックするとワークロードが追加できます。
- Storage for Disk Backup
- DPM Storage (GB) : DPM サーバーで必要なバックアップ ディスク容量
- Storage for Azure Backup
- Azure Storage (DB) : Azure Backup によって Azure Storage に保存される容量
- Additional DPM Storage for Sctach Space (GB) : Azure Backup の動作に必要な DPM サーバーのスクラッチ領域
- Network Bandwiths (for Incrimental Backup)
- Bandwidth Between DPM and Workloads (Mbps) : DPM サーバーとワークロード間で必要な帯域幅 (増分バックアップ)
- WAN Bandwidth for Azure Backup (Mbps) : Azure Backup で必要な WAN 帯域幅 (増分バックアップ)
Workload Details
ワークロードの詳細を設定します。
- Your Tags : 識別するためのタグ名
- Total Size of the Workload (GB) : ワークロードの最大容量
- Workload Type : ワークロードの種類 (BMR、Clients、Exchange、Hyper-V VMs、SharePoint、SQL、System State、Windows Server、VMware)
- Average Daily Churn (%) : 日々の変更率
Short Term Policy (Daily Disk Backups)
短期間のポリシー (日々のディスク バックアップ) を設定します。
- Number of Daily Recovery Points : 1 日あたりの回復ポイント数
- Retention Period (Days) : 日単位の保持期間
Long Term Policy (Backup to Azure)
長期間のポリシー (Azure へのバックアップ) を設定します。
- Compression savings with Azure Backup (%) : Azure Backup の圧縮率
- Daily : 日単位のポリシー
- Number of Daily Recovery Points : 1 日あたりの回復ポイント数
- Retention Period (Days) : 日単位の保持期間
- Average Churn the recovery points (%) : 回復ポイントの平均変更率
- Weekly : 週単位のポリシー
- Number of Daily Recovery Points : 1 週あたりの回復ポイント数
- Retention Period (Weeks) : 日単位の保持期間
- Average Churn the recovery points (%) : 回復ポイントの平均変更率
- Monthly : 月単位のポリシー
- Number of Daily Recovery Points : 1 月あたりの回復ポイント数
- Retention Period (Months) : 月単位の保持期間
- Average Churn the recovery points (%) : 回復ポイントの平均変更率
- Yearly : 年単位のポリシー
- Number of Daily Recovery Points : 1 年あたりの回復ポイント数
- Retention Period (Years) : 年単位の保持期間
- Average Churn the recovery points (%) : 回復ポイントの平均変更率
Backup Window
増分バックアップで通信可能な 1 日あたりの時間を設定します。
- Time Available for Disk Backups (hours/day) : DPM サーバーへのバックアップで利用可能な時間 (1 日あたりの時間)
- Time Available for Online Backups (hours/day) : Azure Storage へのバックアップで利用可能な時間 (1 日あたりの時間)
Output タブ
Deployment Info タブに入力した値により、必要なディスク領域およびネットワーク帯域幅のサマリーが表示されます。
- Total DPM Storage Needed (GB) : DPM サーバーで必要なディスク容量
- Default DPMDB Storage (GB) : 既定の DPMDB のディスク容量
※SharePoint を利用する場合、ファーム内の 100 万アイテムあたり 1 GB の容量が追加で必要となる。 - DPM Storage for Disk Backups (GB) : ディスク バックアップ用の DPM ディスク容量
- Suggested PageFile Size : 推奨されるページ ファイルのディスク容量
- DPM Storage for Cloud Backups (Scratch Space) (GB) : Azure Storage へのオンライン バックアップ用 DPM ディスク (スクラッチ) 容量
- Default DPMDB Storage (GB) : 既定の DPMDB のディスク容量
- Azure Storage for Cloud Backups (GB) : オンライン バックアップ用の Azure Storage の容量
- Bandwidth Between DPM and Workloads (Mbps) : DPM サーバーとワークロード間で必要な帯域幅 (増分バックアップ)
- WAN Bandwidth for Azure Backup (Mbps) : Azure Backup で必要な WAN 帯域幅 (増分バックアップ)
参考
- System Center 2016 – データセンターの管理 | マイクロソフト
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center - System Center 2016 – ライセンスおよび価格 | マイクロソフト
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/system-center-pricing - System Center 2016 | Technet
https://technet.microsoft.com/ja-jp/system-center-docs/system-center - System Center Data Protection Manager
https://blogs.technet.microsoft.com/dpm/ - Microsoft Download Center: Windows, Office, Xbox & More
https://www.microsoft.com/en-us/download - Azure Backup | Channel 9
https://channel9.msdn.com/Series/Azure-Backup