System Center Data Protection Manager 2010 (DPM 2010) のDPM管理シェルは、PowerShellを用いたコマンドラインインタフェースです。
DPM管理シェルは、DPM 2010の管理を目的として様々なコマンドレットが用意されていますが、 コマンドレットのヘルプについて、オンライン上では英語の情報しか公開されていないようです。
このヘルプ情報について、オンライン上で日本語として確認したいと思い、本ブログ上で纏めてみることにしました (内容については「Get-Help」コマンドレットの-Fullオプションを用いて実行した結果を編集したものとなります)。
この記事では、「New-RecoveryOption」コマンドレットについて記載します (他のコマンドレットについては、「DPM 2010のDPM管理シェルで使用できるコマンドレット一覧について」を参照)。
■名前
New-RecoveryOption
■概要
各種サーバーの回復オプションを設定できます。
■構文
New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -GenericDatasource –RecoveryType [-TargetServer] [-DPMLibrary] [-RecoverToReplicaFromTape] [-RestoreSecurity] [-SANRecovery] [-TargetLocation] [<CommonParameters>] New-RecoveryOption [-TargetServer] -HyperVDatasource [-RecoveryLocation] New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -FileSystem -OverwriteType –RecoveryType New-RecoveryOption [-TargetServer] -ClientDatasource –OverwriteType New-RecoveryOption [-TargetServer] [-RecoveryLocation] -RecoveryType –SQL New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -Exchange –ExchangeOperationType New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -RecoveryType –SystemProtectionDatasource New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -PrimaryDpmServer [-TargetServer] New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -E14Datasource –ExchangeOperationType New-RecoveryOption [-DPMServerName] [-StagingAreaPath] [-DestinationPath] New-RecoveryOption [-RecoveryLocation] -RecoveryType -SharePoint [-TargetServer] New-RecoveryOption [-TargetServer] –DatabaseFileTempLocation |
■説明
New-RecoveryOptionコマンドレットを使用すると、ファイル サーバー、Exchange、SharePointサーバー、SharePointサイト、SQL Server、およびその他のデータ ソースの回復ポイントを設定できます。
■パラメーター
-StagingAreaPath
ステージング領域へのパス。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 1 |
-DatasourceName
データ ソースの名前。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 4 |
-DestinationPath
回復場所。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 3 |
-DestinationServerName
データの回復先となるサーバーの名前。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 2 |
-ClientDatasource
復元中のデータがファイル システムであるか、またはアプリケーションであるかを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-DatabaseFileTempLocation
データベース ファイルの一時的な場所。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-DPMComponentName
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-DPMServerName
DPMサーバーの名前。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 0 |
-E14Datasource
Exchange Server 2010からのデータ ソースであるかどうかを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-Exchange
現在の操作がMicrosoft Exchangeデータ ソースで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-ExchangeOperationType
実行される操作の種類を示します。有効な値は”NoOperation”、”MailBoxLevelRecovery”、および”NeedCleanShutdown”です。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-ExportFileTempLocation
エクスポート ファイルの場所。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-FileSystem
操作がファイル システム データ ソースで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-GenericDatasource
現在の操作がMicrosoft Virtual Serverなどのデータ ソースで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-HyperVDatasource
Hyper-Vデータ ソースを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-IntermediateServer
SharePointサイトの回復時に使用されるサーバー。そのサーバーにSharePointファームがインストールされている必要があります。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-IntermediateSqlInstance
SharePointサイトの回復時に使用されるSQL Serverインスタンス。SQL Serverデータベースを一時的にホストするために使用されます。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-OverwriteType
回復するファイルが既に存在する場合に実行する操作を指定します。指定可能な値は”CreateCopy”、”Skip”、および”Overwrite”です。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | named |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | false |
-PrimaryDpmServer
DPMサーバーへの回復であることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-RecoveryLocation
データの回復先の場所を示します。有効な値は”OriginalServer”、”CopyToFolder”、”OriginalServerWithDBRename”、”AlternateExchangeServer”、および”ExchangeServerDatabase”です。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 0 |
-RecoveryType
回復の種類が”Recover”または”Restore”のいずれであるかを示します。Hyper-Vでは、”Recover”のみを使用できます。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | named |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | false |
-SharePoint
現在の操作がSharePointデータ ソースで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-SharePointSite
操作がSharePointサイトで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-SQL
現在の操作がSQL Serverデータ ソースで実行されることを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-SystemProtectionDatasource
システム保護データ ソースを示します。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-TargetServer
回復が実行されるサーバー。
クラスター環境でNew-RecoveryOptionコマンドレットを使用する場合、ターゲット サーバー パラメーターはResourceGroupName.ClusterName.DomainNameの形式で指定する必要があります。
必須 | true |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | 0 |
-AlternateDatabase
代替データベースの名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-AlternateDatabaseDetails
データベースの種類。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-AlternateLocation
回復ポイントを作成する代替場所の名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-AlternateStorageGroup
新しい回復ポイントの代替ストレージ グループの名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-CopyLogFiles
ログ ファイルがコピーされることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-DatabaseName
データベースの名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-DPMLibrary
DPMライブラリ オブジェクト。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-FileSystemDatasource
ファイル システム データ ソースを回復することを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-IsRecoveryDatabase
データベースが回復用データベースであることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-IsRecoveryStorageGroup
回復が回復ストレージ グループであるかどうかを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-ItemLevelRecoveryType
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-LeaveDBInRestoringState
これは、スイッチ パラメーターです。このパラメーターを使用しない場合、データベースが、非運用状態ではあるが復元可能な状態になることを示します。このパラメーターを使用する場合、データベースが運用状態になることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-LogFileCopyLocation
ログ ファイルのコピー先となる場所。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-MailboxDisplayName
メールボックスに表示される名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-MountDatabaseAfterRestore
復元後にデータベースが自動的にマウントされることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-RecoverToReplicaFromTape
レプリカへの回復がテープから実行されることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-RestoreSecurity
復元操作時に使用するセキュリティ設定を示します。
これは、スイッチ パラメーターです。コマンドレットで-RestoreSecurityパラメーターを使用した場合、回復ポイントからのセキュリティ設定が使用されることを示します。-RestoreSecurityパラメーターを使用しない場合、復元先サーバーのセキュリティ設定が使用されることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-RollForwardRecovery
アプリケーションを最新の状態にするために、最新の回復ポイントからアプリケーションを回復し、その回復ポイント以降のすべてのログを適用することを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-SANRecovery
現在の操作が記憶域ネットワーク (SAN) データ ソースで実行されることを示します。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-StorageGroupName
ストレージ グループの名前。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-TargetLocation
レプリカが格納される場所。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
-TargetSiteUrl
回復が実行される URL。
必須 | false |
ワイルドカード文字を許可する | false |
パイプライン入力を許可する | false |
位置 | named |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: Verbose、Debug、ErrorAction、ErrorVariable、WarningAction、WarningVariable、OutBuffer、およびOutVariable。詳細については、「get-help about_commonparameters」と入力してヘルプを参照してください。
■入力
■出力
RecoveryOption
■メモ
詳細については、「Get-Help New-RecoveryOption -detailed」と入力してください。
技術情報については、「Get-Help New-RecoveryOption -full」と入力してください。
コマンドレットの更新情報については、http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=95130 (英語の可能性あり) を参照することもできます。
■例
例1
<br>New-RecoveryOption -TargetServer "test.contoso.com" -RecoveryLocation copytofolder -FileSystem -AlternateLocation "f:restore" -OverwriteType overwrite -RestoreSecurity -RecoveryType Restore<br>
このコマンドにより、ファイル システムがtest.domain.comに回復され、その元のセキュリティ設定が復元されます。
例2
$dpmserver = connect-DPMServer "DPMServer1" $ps = Get-ProductionServer "DPMServer1" $ds = Get-Datasource $ps $dl = Get-DPMLibrary "DPMServer1" $rp = Get-RecoveryPoint $ds $rop = New-Recoveryoption -Filesystem -RecoverToReplicaFromTape 1 -RecoveryLocation DPMReplicaVolume -DPMLibrary $dl[0] -Targetserver DPMServer1 -overwritetype overwrite
この例は、レプリカを使用してファイル サーバーを回復するための一連のコマンドの概要について示しています。
例3
$pg = Get-ProtectionGroup $ds = Get-Datasource $pg $rp = Get-RecoveryPoint -Datasource $ds $lib = Get-DPMLibrary $rop = New-RecoveryOption -RecoverToReplicaFromTape 1 -RecoveryLocation DPMReplicaVolume -FileSystem -TargetServer DPMTestServer -OverwriteType Overwrite -RecoveryType Recover -DpmLibrary $lib Recover-RecoverableItem -RecoverableItem $rp -RecoveryOption $rop Recover-RecoverableItem -RecoverableItem $rp -RecoveryOption $rop
[参考]
- New-RecoveryOption
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ff631912.aspx - DPM 2010 Cmdlets
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ff631926.aspx
コメント
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