Azure Site Recovery を利用した Azure 仮想マシンの DR (3)

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一昨日昨日の続きです。

Azure Site Recovery (ASR) は、定期的なメンテナンス実施や大規模災害発生時などに備え、定期的に Azure 上のストレージにレプリケーションし、アプリケーションとデータの安全および可用性を維持した状態でフェールオーバーを実施、ビジネス継続性および障害復旧の戦略を実現する DRaaS です。

ASR は、オンプレミスの物理マシンや Hyper-V 仮想マシン、System Center Virtual Machine Manager で管理されている Hyper-V 仮想マシン、および VMware 仮想マシンの保護が可能となっていますが、Azure 仮想マシンについても限定的 (他の Azure リージョンへのフェールオーバー、ただしフェールバック不可) ではありますが保護をサポートしています。

Microsoft Docs 内のドキュメントに ASR を利用したAzure 仮想マシンの DR についての記載があり、物理マシンを Azure にレプリケートする手順とほぼ同様ですが、検証として使用するための環境構築、およびフェールオーバー手順を纏めてみました。

手順について

記載する手順は、Azure ポータル用であり、大まかには以下の流れとなります。
※この記事では、手順 6. ~ 8. まで記載

  1. Recovery Services コンテナーの作成
  2. 構成サーバー兼プロセス サーバーの構築
  3. レプリケーション設定のセットアップ
  4. モビリティ サービス インストールの事前準備
  5. レプリケーションの有効化
  6. テストフェールオーバーの実施
  7. フェールオーバーの実施
  8. 後処理

なお、前提、制限事項については、以下の Microsoft Docs 内のドキュメントを確認してください。

6. テスト フェールオーバーの実施

  1. テスト フェールオーバーを実施する、Recovery Services コンテナー ([ASR-JE-to-JW]) 管理ブレードにて、[テスト フェールオ…] をクリックします。
  2. テスト フェールオーバー ブレードにて、以下の項目を選択、[OK] ボタンをクリックし、テスト フェールオーバーを開始します。
    • 復旧ポイントを選択してください : 復旧ポイントの種類を選択 ([カスタム]) します。
    • 復旧ポイント : 復旧ポイントを選択します。
    • Azure 仮想ネットワーク : フェールオーバーした Azure 仮想マシンが接続する仮想ネットワーク (ASR-JW-vNet) を指定します。

  3. 通知領域に表示される [‘ASR-JE-VM’ のテストフェールオーバ…] をクリックすることでフェールオーバーの状況を確認することができます。

    ちなみに、テスト フェールオーバー後にはパブリック IP アドレスは割り当たっていません。フェールオーバー後の Azure 仮想マシンが正常に動作しているかどうかについては、同一 Azure ネットワークに存在する Azure 仮想マシン、もしくはパブリック IP アドレスを割り当てた後で RDP 接続する必要があります。

  4. テストが完了したら、通知領域に表示される [‘ASR-JE-VM’ のテストフェールオーバ…] をクリックし、[✓ テストの完了] をクリックします。
     
  5. [テスト フェールオーバーが完了しました。テスト環境をクリーンアップします。] のチェックボックスをオンにして、[OK] ボタンをクリックし、テスト フェールオーバーの処理がすべて完了することが確認します。

7. フェールオーバーの実施

Azure 仮想マシンの DR については、「計画されたフェールオーバー」のみとなります。

  1. フェールオーバーを実施する、Recovery Services コンテナー ([ASR-JE-to-JW]) 管理ブレードにて、[計画されていな…] をクリックします。
  2. テスト フェールオーバー ブレードにて、以下の項目を選択、[OK] ボタンをクリックし、テスト フェールオーバーを開始します。
    • 復旧ポイントを選択してください : 復旧ポイントの種類を選択 ([カスタム]) します。
    • 復旧ポイント : 復旧ポイントを選択します。

  3. 通知領域に表示される [計画されていないフェールーバーを開…] をクリックすることでフェールオーバーの状況を確認することができます。

    テスト フェールオーバー同様、フェールオーバー後にはパブリック IP アドレスは割り当たっていません。フェールオーバー後の Azure 仮想マシンが正常に動作しているかどうかについては、同一 Azure ネットワークに存在する Azure 仮想マシン、もしくはパブリック IP アドレスを割り当てた後で RDP 接続する必要があります。

フェールオーバーした Azure 仮想マシンにログインすると、以下の画面のような感じになります。

ディスクの構成は、以下の画面になります。

8. 後処理

現在の ASR の動作上、フェールバックできないため、移行の完了作業を実施します。

  1. フェールオーバーが完了した、Recovery Services コンテナー ([ASR-JE-to-JW]) 管理ブレードにて、[項目表示] – [移行の完了] をクリックします。
  2. [OK] ボタンをクリックします。

    移行が完了すると、以下の画面のようにレプリケージョン対象マシンが削除されていることが確認できます。

    ただし、移行元の仮想マシンは起動したままなので、停止なり削除しておいたほうがよいかと思います。

参考

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