※このブログ エントリに記載している検証結果については、Microsoft 社からの正式見解および回答ではありません。
前回に続き、Global VNet Peering (Preview) について試してみた結果を纏めました。
Global VNet Peering (Preview) のスループット検証
検証環境、パターン
- 使用する Azure VM は、同一 OS、VM サイズ、ストレージを使用しています。
- OS : Ubuntsu Server 16.04 LTS
- VM サイズ : DS3v2 (4 vCPU、14 GB メモリ)
- ストレージ : Premium Storage (Managed Disks)
- スループットの計測は、以下の 3 つのパターンで送信、受信ともに確認しています。
- Ping 応答 10回
- NTttcp 1分間計測 × 5回
- iperf × 5回
- VPN ゲートウェイの SKU は「VpnGw2」、アクティブ/アクティブ構成を使用しています。
パターン 0-1
パターン 0-1 で実施している検証環境は下図となり、米国西部 2リージョン内の VNet 内の通信となります。
パターン 0-2
パターン 0-1 で実施している検証環境は下図となり、米国西部 2リージョン内の VNet 間通信となり、次の 2パターンで確認しています。
- VNet Peering
- VPN Gateway
パターン 1
パターン 1 で実施している検証環境は下図となり、米国西部 2 – 米国中西部リージョン VNet 間通信となり、次の 2パターンで確認しています。
- Global VNet Peering
- VPN Gateway
パターン 2
パターン 2 で実施している検証環境は下図となり、米国西部 2 – カナダ中部リージョン VNet 間通信となり、次の 2パターンで確認しています。
- Global VNet Peering
- VPN Gateway
パターン 3
パターン 3 で実施している検証環境は下図となり、米国中西部 – カナダ中部リージョン VNet 間通信となり、次の 2パターンで確認しています。
- Global VNet Peering
- VPN Gateway
検証結果
パターン 0-1
結果は以下のとおり。
パターン 0-2
VNet Peering 接続
結果は以下のとおり。
VPN Gateway 間接続
結果は以下のとおり。
パターン 1
Global VNet Peering 接続
結果は以下のとおり。
VPN Gateway 間接続
結果は以下のとおり。
パターン 2
Global VNet Peering 接続
結果は以下のとおり。
VPN Gateway 間接続
結果は以下のとおり。
パターン 3
Global VNet Peering 接続
結果は以下のとおり。
VPN Gateway 間接続
結果は以下のとおり。
まとめ
本題とは外れていますが、パターン 0-1 は、基準として仮想マシンが持つスループットを確認、パターン 0-2 については、VNet Peering と VPN ゲートウェイ間のスループット比較というところが確認できます。
パターン 0-2 の結果を見ると、VPN ゲートウェイ間よりも VNet Peering のほうが Ping の応答速度が速いことに加え、仮想マシンが持つスループットがほぼそのまま出せるということが確認できています。VPN ゲートウェイ間接続については、どうしても VPN ゲートウェイ SKU の性能上限までしか出すことができない状態となっています (補足として、iperf については、アクティブ/アクティブ構成は信頼性向上目的ですが、スループット向上の恩恵は得られていない模)。
パターン 1 ~ 3 については、それぞれのリージョン間の VNet 通信のスループットを見ていますが、パターン 1 の iperf の結果とパターン 1 ~ 3 の NTttcp の結果以外は、若干 Global Vnet Peering が速いということが確認できます。これは、Ping の結果を見てもわかるように、経路どうこうよりもリージョン間の距離が影響しているように思えます (逆にいうと、Global VNet Peering の NTttcp が思ったほど性能低下がないのが気になりましたが)。とは言え、VPN ゲートウェイの利用料を考えた際、Global VNet Peering が GA した際に切り替える、という選択が十分にできると思います。リージョン間の距離が近ければ、パターン 1 の結果のように Global Vnet Peering のほうが高速なので、早いタイミングで GA してほしいと思います。
参考
- Microsoft Azure Cloud Computing Platform & Services
https://azure.microsoft.com/ja-jp/ - Blog | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/ - Azure ロードマップ | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/roadmap/ - Virtual Network – 仮想プライベート クラウド | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/virtual-network/ - Azure Virtual Network のドキュメント – チュートリアル、API リファレンス | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-network/ - 料金 – Virtual Network | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-network/ - Azure Global VNET PeeringがPublic Previewになったのでお試ししました – Qiita
https://qiita.com/yotan/items/3c4d576db33f9aaa9be6 - Global 接続ができるようになった Microsoft Azure の仮想ネットワーク Peering を試してみたよ|ネスケラボ
https://blog.nextscape.net/archives/Date/2017/10/vnetpeering
コメント
[…] Global VNet Peering (Preview) のスループットを検証してみました […]